ピーマンと釜揚げシラスの炒り煮
今回は、ピーマンと釜揚げシラスの煎り煮のご紹介です。
この料理をつくる経緯は付き合い・・・
野菜屋との付き合いです。
何が付き合いか?
これらのピーマンの写真を見て、皆様はどのように思われますか?
- 色とりどりのピーマンで綺麗
- 色がまちまちでどうしたのかな?
- 色変わりしてしまったピーマンかな?
等など、パッと頭に思い浮かぶものを書いてみました。
こちらの金ザルは直径が30cm、高さは25cmはあります。
調理場的に言うと、中位の大きさ!って所でしょうね。
それが掃除したピーマンで口切一杯入っています。
野菜屋が配送時に発注していない大袋を私に見せてきて
「すいません! このピーマン、000円で付き合ってください!」
「000円・・・安いは安いけど一体どうしたのさ?」
「見ての通り色がまちまちで、買い手がつかなかったんです・・」
分かります!
実は近所の方から頂いたピーマンも同様に、色がまちまちでくすみ気味。
天候による温度変化が、ピーマンの勘違いを誘ってしまう。
気温が高ければ高いで続けばよいのですが、寒暖が急だとピーマン自体が
「おっ! 気温が高いな! 熟しちゃおうかな」
と思っていたら急に気温が下がる ↓
「え~??? もう準備段階に入っているのに!」
その結果、色が中途半端になってしまう。
仕方ありませんね。
私の掲げる思いに
三方良し!
があります。
色が悪く買い手がつかなかろうが、ピーマンはピーマンなのです。
鮮度のよいピーマンです!
生産者さんがつくった品物です。
上記の記事でも書かせて頂いていますが
生産者さんの労を「見目」だけで0(ゼロ)にしてはいけない!
出来うる事で対応し、労を対価に返還させることが大切なのです。
凄い安価で購入しました。
でも、本当は今現在では必要ないものでした。
調理場原価も考えながらの仕事ですので、なんともね~
ですが
扱う以上は美味しく作ります!
選択した料理が「シラスとの煎り煮」
それでは
簡単!ピーマンとシラスの煎り煮
材料
- 釜揚げシラス
- ピーマン
- 油揚げ
- 黒胡麻
調味料
では作っていきましょう!
1:ピーマンは掃除をし2mm幅程度でスライスする
2:切ったピーマンは水さっと晒し、たっぷりのお湯で7分茹でにする
3:それを氷水に落とし荒熱をとり、軽く水気を搾り取る
4:油揚げは少し太めの短冊切りにし、熱湯をかけ油抜きをしておく
5:鍋にサラダオイルを敷き水切りしたピーマンを強火で手早く炒める
ここからはスピード勝負です!
6:ピーマン全体に油が回ったら、シラス・油揚げを投入する
7:調味料を手早く回しかけ味を決める。
8:仕上げに黒胡麻を振りかければ完成です!
*つくったらすぐに冷却にかけます(高温高湿冷蔵庫)
(色合いを綺麗に残す事と、品質保持の為)
考え方とポイント
今回のピーマン煎り煮について考えた事!
- ピーマンの色合いの変色を最大限おさえる(色を残す=特に緑)
- ピーマンを下湯でした事により、しんなりとシラスとの一体感を狙った仕様
- 濃口醤油で佃煮風にするのではなく、薄口醤油でじんわりした美味さで仕上げた
- 薄口醤油をメインとすることで、各素材の色合いを綺麗に出す
- シラスのほろ苦さ&塩気&旨みを油揚げに吸わせる事
大体このような事をテーマに、作ってみました。
同じ様な作り方で
- 下茹でしない
- 濃口醤油をベースに調味する
- シラスを油で素揚げ(煎りジャコ)にし、仕上げに混ぜ込む
この作り方ですと、ご飯のお供的なお惣菜料理になります。
最初のは、料理屋さんの付き出し辺りに向きますね。
どちらが美味いではなく、向きにあった料理であればどちらでもOKですよね!
ちなみにシラスとは
シラス ⇒ いわしの赤ちゃん(マイワシ・カタクチイワシ・ウルメイワシ等)
そして水分量の違いにより
85% ⇒ 釜揚げシラス
50~60% ⇒ シラス干し
25~30% ⇒ ちりめん・ちりめんじゃこ
15% ⇒ タタミイワシ(加工品)
混同しやすい物として小女子(こうなご)があります。
これは、メロウド(女朗人)の赤ちゃんです。
↑ シラス ↑ 小女子
写真で比較すると一目瞭然です。
シラスは白っぽく、小女子は脂が多い分やや黄色気味な体色です。
顔つきもシラスは丸く、小女子はとがった感じですね。
美味しさの比較は出来ませんが、どちら共に素晴らしい素材である事!
そして、どちら共に稚魚である事!
大切に大事に扱い、美味しく頂いていきましょう!
最後に
この記事が皆様の「ピーマン料理」の一考察になれれば嬉しいです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。