和食を簡単に!

ちょっとした「コツ」や「黄金比率」で簡単に作れる和食のご紹介

まぐろを使い切る

まぐろを使い切る

 

先日、まぐろ購入の際の考察を書かせて頂きました。  

 

書いている時から思っていた事がありましたので「追記」のみたいな事を書きます。

 

 

まぐろの可食部分(身近に手に入る部位として)

  • 身   ・・・ 刺身・お寿司 に使えます。
  • スジ  ・・・ 酢の物 ・から揚げ ・お吸い物 に使えます。
  • 皮   ・・・ 酢の物 に使えます。
  • 血合い ・・・ から揚げ ・煮〆 焼き物 に使えます。
  • 骨   ・・・ 出汁をとるのに使えます。

 

身近ではない部分に

「頭」 「尾の付け根の身」「カマ下部位」「内臓系」「目玉」 等があります。

 

このうち「内臓系」以外は市場にて、あらかじめ頼んでおけば入手可能です。

が、販売価格等は魚屋次第です。

まぐろ屋と顔なじみになれば、 「いいよ! もってけ!」との話になるかも。

 

内臓に関しての入手は、市場では非常に困難と思います。

理由は

基本的にまぐろは「船上処理」という作業を行います。

ですので、市場内に来ることも一般的に販売されることも無いのです。

まぐろの内臓を食すことが出来る人は、漁師さんと処理場にいる作業員という事に

限られます。

 

船上処理とは

呼んで字の如く、船の上で処理をする。若しくは水揚げ港に隣接する処理場兼競り場

でエラから内臓まで特殊技術にて一気に抜き取る処理です。

 

 

まぐろの心臓は珍味と聞いた事がありますが、血液循環組織なので綺麗に血抜きを

しないと「生臭くて食えない」といった事になると思います。(私は未経験です)

 

 一つ一つ可食部位について堀下げて解説します。

身について

身に関しては主にスジが薄い上柵と、スジが強い下柵があります。

上柵は刺身で切っても、握り寿司にしても「目」さえ間違わなければ

スジが口に残る(感じる)事はほぼありません。

要は何をしても大丈夫!なほど良い状態の身質といえます。

 

下柵では、普通に切ったり、普通に切り付けをした身で握った鮪では

ほぼ間違いなくスジが口に残ります。

 

「目」について解説します。

これは、木の木目を見て切断加工することと同じ事です。

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図のように、どちらとも包丁を入れるのは筋目を切断するイメージで切ります。

 

この様な切り方を「逆目に切る」とも言います。(目に沿って逆)

仮に上柵を「順目」(筋と平行)に切ったとしたら、筋が口に残りやすく

上柵鮪の価値を大きく損ねます。

下柵の場合その多くは、頭よりか尻尾よりの身で、筋肉の使用量が大変に多いので

自然、筋も身質も強く堅くなっています。

いくら筋を逆目で切ったとしても、もともとの筋が硬いのですから口に残ります。

 

ではどうするか?

包丁やスプーンで筋から身をはがし取ったり、包丁で細かく叩いたりします。

裏ワザ的なやり方では、筋に沿って包丁をいれ、シールをはがすようにする

「剥がし」といった仕事を行います。

その「剥がし」で刺身にしたり、握ったりも可能です。

(高級店で剥がしをする事はあまりありません)

 

スジ

筋が硬い部分はスプーンでこそげ取り「中落ち風」にして 、巻物や丼で使えます。

しかも筋自体にはコラーゲンが含まれていますので、味噌汁やお吸い物の具材にすれば

食感と栄養の2つを摂取できます。

から揚げにしても美味しく召し上がれます。

 

鮪の皮には大きく硬い鱗がありますので、先ずはそれを除いていきます。

  1. 熱湯を沸かし、皮をいれ7秒位おき氷水へ落とします。
  2. 皮を氷水にいれて鱗があるほうを擦ると、簡単に鱗と汚れが剥がれ落ちます。
  3. 純粋に皮だけになったら、軽く水の中で揉み洗いをします。
  4. 洗った皮をまな板の上におき、食べやすい太さの千切りにします。
  5. 千切りにした皮をもう一度完全にゆでて、余計な臭みと脂を落としていきます。
  6. 茹で上がったら氷水に落とし、冷ました後水気を取れば準備完了です。

少し癖があるので、ポン酢や芥子醤油や山葵タレで和えたりして使います。

 

中骨際に付いた身を、スプーンでこそげ取る演出料理をする店もありまして、

やはり「中落ち」という名称で謳っております。

旨みが多い部分とされておりますが、さほど変わらない気がします。

もう骨だけしかなくなったら、スープをとりましょう。

(フォン・ド・ボー ならぬ フォン・ド・ツナ)

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(尾の身の骨で取ったマグロのスープ)

 

血合い 

血合い料理の作り方

  1. 血合いの部分は一口大より小さめで切り、水で晒して血を除きます。
  2. (かなりの血が出ますので、根気良く抜いていきます)
  3. この作業が仕上げに大きく関係しますので、根気良く抜いていきます。
  4. 血が出なくなれば、醤油1と酒2・おろし生姜に漬け込み半日おきます。
  5. 水気をきり、油で揚げればマグロ血合いの竜田揚げです!

同様な下処理で

醤油0,5:酒1:味醂1:田舎味噌2 砂糖少々 胡麻油少々

2日程漬け込んだものを焼けば、血合いの味噌付け焼きです!

両方とも一癖ある味に好みが分かれますが、私は好きです。        

 

 

 

まとめ

マグロは鉄分を多く含みますので、これから暑くなる時期には良い食材です。

居酒屋で定番の、山芋をすったものをかけた「山掛け」も夏ばて対策です。

刺身を食べるのがメインであれば、多少高くても良い品を選ぶのがお勧めです。

その他の料理であれば、多少筋皮血合いがついた鮪を選ばれた方がお買い得です。

 

最後に

この記事が皆様の「鮪料理アイデア」の一助になれれば嬉しく思います。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

 

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