和食を簡単に!

ちょっとした「コツ」や「黄金比率」で簡単に作れる和食のご紹介

スルメ烏賊について

今回は、スルメ烏賊について書いていきます。

私の感覚的に言えば

スルメ烏賊は庶民の烏賊!

です。

烏賊飯・屋台の烏賊焼き・烏賊刺し・干物・塩辛・天ぷら・煮物

げそ空揚げ・ホイル焼き・トンビ炙り・鍋材・炒め物・・・・etc

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地方地方「烏賊料理」に使う烏賊は様々ですが

スルメ烏賊ほど庶民の烏賊はソウソウありません。

上記の写真はスルメ烏賊です。

烏賊の皮がまだ綺麗な状態を保っています。

本来烏賊は生きている時には

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このような透明に近い色をしています。

なので、佐賀の呼子で有名な「活け烏賊の姿造り」などでは

下記の様な、大葉が透けて見える=新鮮!といったスタイルで造られている。

水槽管理のプロ業者でさえ

「活け烏賊の管理はむずかしい」

と言われ、当然お造りの価格は跳ね上がる。

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上記の写真は、大衆酒場での活け烏賊の姿造り(槍烏賊)です。

それでも2500円程度の金額でした。

烏賊は鮮度が落ちやすい素材のひとつです。

しかも水や氷・手の温度などが皮目に付くと、その部分だけ色が変わってしまうなど

扱う上でも繊細に扱う事が望まれます。

大まかな鮮度の見分け方

皮目(色)から判断する方法

活きている物(透明に近い) ⇒ 新鮮な物(皮に張りがあり色合いも鮮明)

  ⇒ すこし時間が経った物(全体に張りが無く色合いもくすんできている)

  ⇒ 古い物(皮目は乳白色になりだれている)

 

烏賊の種類によって若干の皮目の色の違いはありますが

「張りの状態」だけは全種共通と言えます。

刺身として召し上がるのであれば、「新鮮な物」のラインまでが無難です。

それ以降は、火をしっかり通す料理でお楽しみください。

(火を通す烏賊も、新鮮な物の方が遥かに美味しいのですが・・・)

 

烏賊の呼び名も地方地方あります。

関東以北では普通にある「スルメ烏賊」は、九州では「松烏賊」と呼ばれ

見かける事は少ないように感じます。

そして鮮度的にも・・・・

そのかわりに関東での高級烏賊である「アオリ烏賊」は「水烏賊」と呼ばれ

安くは無いが高くも無い価格帯で店頭に並んでいます。

同じ烏賊でも地方によって価値観が違うのは面白いところです。

 

それだけ土地土地の生息する烏賊が居り、庶民の口に入っていたと言う事でしょう!

 

しかし近年

烏賊の価格が全体的に跳ね上がっている傾向にある。

理由は

不漁によるもの

 

何故不漁なのか?

大まかに3つの要因

  1. 海水温の変化による産卵時期のズレ
  2. 日本近海領域外での乱獲(他国)
  3. そもそも資源の減少

①について、いままで産卵場所であった海域の地球温暖化による海水温度の上昇が

原因と考えられています。

 

②については2通りあります。

 一:先ずは日本近海領域外での乱獲により、

   通年であれば日本海域に来るであろう親烏賊が乱獲される事

 二:日本漁域に侵入され、国内水産物が流出してしまう事

 

③はそのものずばり! 世界のニーズが種の存続を上回ってしまっている事

 

その結果として

数年前までの当たり前が、昨今より当たり前ではなくなってしまっている!

 

スルメ烏賊の歴史的不漁の原因は

全て人間から派生している・・・

 

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今回スルメ烏賊について書こうとしたのは

スルメ烏賊は、ほぼ丸ごと無駄なく使いまわせる優良食材!

どの烏賊もそうだとは思いますが

スルメ烏賊ほど安価ではありませんよね?

当時は新鮮なスルメ烏賊でも1杯が200~400円程度でした(10年前程)

アオリ烏賊では、1杯1700~2500円(目方による。K=2500円)

槍烏賊・剣先烏賊は1杯700~1200円

 

では、スルメ烏賊を余すところ無く無駄なく使える料理の組み立てをご紹介します。

(胴体部分を縦断する軟骨・墨袋・生殖腺・目玉は外します)

 

スルメ烏賊全部を使おう!

{皮を剥かないバージョン}

烏賊肝炒め ⇒ 日本酒(燗・冷・常温)に最高に合いますよ!

 1:胴体の中身を抜き胴体を1cmほどの筒切りにする

 2:げそはぶつ切りにし、筒切りの烏賊と共にサラダ油で炒める

 3:肝を投入し、醤油・酒・みりんで味をつけながら肝を絡めていく

 4:肝に火が通ったら皿に盛り付け、七味唐辛子を振り掛ける

POINT

  • 身は火が入りやすいので、手早く炒め合わせる事!
  • 肝にはしっかりと火を通す事!
  • お酒との相性が抜群ですので、飲み過ぎない事!

 

*類似した料理では、キノコを加えてお鍋にしてもホイル焼きにしてもOKです。

 

{皮を剥いたバージョン}

かんたん塩辛!(保存は3日間)美味しいですよ~

 1:肝にはたっぷりの塩をまぶし、ザルに置き冷蔵庫で一晩寝かす

 2: 皮を剥いた胴体を食べやすい細さに切る

 3:切った身に薄く塩をまぶし、ラップをしないで冷蔵庫で一晩ねかせる

 4:肝を取り出し、塩を洗い流す。その後、日本酒で肝を洗う。

 5:肝をザルで裏漉しながら保存容器にいれる(適当で良い)

 6:裏漉した肝に、塩で寝かせた身を混ぜ込む

 7:柚子の細切り・昆布の細切りも共に混ぜ込む

 8:混ぜ込んだ際に粘度が強すぎたら酒を加え粘度を調節する

 9:1日3回、清潔な箸で空気を入れ込むように混ぜてあげる

10:半日後から食べれます。

POINT

  • 肝にはたっぷりの塩をまぶし、余計な水分や雑味を取り除く事
  • 切った身に塩をあて寝かす事で、旨み成分がUPする
  • 昆布の細切りも加えさらにうまみUP &吸水効果
  • 塩分を加えれば更に保存期間が延びます

まだまだ烏賊料理はありますが、今回はここまでにします。

 

一物全体と言う言葉が「マクロビ」の料理観にはあります。

要約すれば

野菜であれば、皮から根っこまで!

余すことなく使い切る事によりそのものの栄養価を最大限引き出せる。

 

まぁ~一理はあるが全てではない。

私の思いでは

素材を大事に思う結果として、全てを食す!(可能な範囲で)

別の表現では

もったいない!(本来は、卑しいとかケチといった意味合いではない)

 

庶民の烏賊であるスルメ烏賊の国内水揚げ減少。

ただ単に、

スルメ烏賊が高くなったね~

スルメ烏賊を最近見ないよね~

という一時的な、一箇所的な話ではこれからは済まなくなる気がします。

 

本日は、東京豊洲市場での鮪の初競り!

青森産の生鮪 214Kで428万円(K=20,000)

魚1尾が420万

凄い事ですね・・・

対極に

50年前

鰯は畑の肥やしでした。

それが今では一尾100円では買えなくなっています。

 

身近な魚すら高嶺の花になる日が来ないことを願います。