和食を簡単に!

ちょっとした「コツ」や「黄金比率」で簡単に作れる和食のご紹介

森のバター アボカドについて

今ではすっかり定着している、アボカドをご紹介します。

そんなアボカドですが、

日本の輸入量からみると1970年代までは、ほんの微々たる量でありました。

約50年前の事です。(500トン以下)

それが10年おきに500%程度の伸び率で輸入されている現状です。

2016年では、73915トンにまで伸びているのです。

 

1970年後半 ⇒     約500トン

2016年   ⇒ 73915トン

 

私が生まれる少し前から、今の歳までに150倍近く輸入量が増えているのです。

物凄いことです。

 

改めて思い返せば、この仕事に就いた頃(約25年前)では

料理屋さんや居酒屋さんなどで

アボカドを使ったメニューを売りに出していた気がします。

1990年代前半ですね。

(輸入量は2163トン)

 

当時は「料理の鉄人」ブームも有り、

和の仕事に外国産の素材を導入する風潮や

食の欧米化が加速度的に進んで行きました。

 

アボカドも時代の流れにのった素材の一つと言えます。

アボカドは別名「森のバター」と呼ばれるほど

果肉に脂肪分が含まれています。(約25%)

しかもその脂肪分のほとんどが

不飽和脂肪酸であり、血中のコレステロールを増加させる心配が少ないのです。

主要成分の一つには

ビタミンEがあり、アボカド一個で成人男子の1日の適正摂取量をカバーできます。

 

アボカド

  • 3系統1000種以上ある
  • 日本売られているのは「ハス種」      (グアテマラ系)
  • 保存は4.5℃以上が望ましいが、切り分けた場合は冷蔵庫で保管する
  • 高知・和歌山・南九州では少量ながら生産されている
  • アボカドが正しい名称であり、アボガドではない

ハス種の特徴

  • 長期輸送が可能
  • 熟すと表皮が黒くなる

 

アボカドの輸入量の爆発的増加の

要因の一つには

日本人の脂嗜好の増幅

が関連していると思います。

加え

健康ブームの便乗感は否めません。

野菜で、クリーミーな油脂成分が多く含まれているのですから

多くの方のニーズにマッチしているのでしょうね。

 

このアボカドと言う野菜は、何にしても相性が良いように思います。

サラダ・和え衣・揚げ物・焼き物のソース・ドレッシング・寿司ネタ 等

単体使用でも良し! 合わせても良し!

の万能選手です。

 

日本への輸入量の驚異的な増加の要因には

日本人の脂嗜好増加と書きました。

そこにもう一つ

アボカドは山葵醤油との相性が非常に良い事から

海鮮との合わせで扱われる事も要因の一つではないかと思います。

 

実際に私もこのような仕立てでお出ししていた事があります。

 

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 海の幸とアボカドの山葵和え

材料

  • 海鮮 (ナマコとホヤは合わせた事はないです)
  • アボカド (熟した物)
  • 山葵
  • 醤油
  • 胡麻

作り方

  1. アボカドを半割りにし、種を取り除く
  2. 中身をくりぬきフオークで荒くつぶす
  3. 海鮮類はやや小ぶりの一口大にする
  4. 海鮮を山葵醤油であえた後に、白胡麻をまぜる
  5. 海鮮とアボカドをあわせ最終調味する
  6. アボカドの器へ入れあしらいを添える

かなり簡単な料理ですけど、アボカドのコクのある油分と山葵・そして醤油との

相性が非常に良い「和」の料理です。

この仕立ては「お刺身が苦手」な方への対応も可能となるところです。

その場合には

クリームチーズと水切りをした豆腐・刺身蒟蒻(赤)や湯葉などで代用しても

楽しんで頂けます。

 

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やはりアボカドといえば

カルフォルニアロールが有名ですよね!

 

すこし薀蓄を書きます

カルフォルニアロール

寿司職人の真下一郎氏が考案したのが始まりとされています。

1963年の事です。

真下氏は、ロサンゼルスのリトル東京東京會舘)に開店したスシ・バーで

勤務していました。

当時の米国人は、海苔を食べるのが気味悪がり剥がして食べる姿が多く

海苔を内側にまく「逆さ巻き」「逆巻き」など行っていました。

米国人に寿司を受け入れやすくするのにはどうしたら良いか?

の末にカルフォルニアロールが考案され、後の1980年代には

アメリカ合衆国各地で作られるようになりました。

 

他国の文化圏であっても、情熱と探究心で現状を切り開かれた

「真下氏」の寿司への功績はすばらしいと思います。

 

約60年後の現在では、逆輸入的に

日本全国にカルフォルニアロールが

販売されています。

この事は、とても凄い事です。

 

 

使い残りのアボカドは?

アボカドは油脂分が非常に高いので、

酸化によっての変色のスピードは結構速いです。

レモンの絞り汁を切断面に塗ると変色スピードは若干遅くなりますが

あまり効果が高いとは思えません。

なので 

私の場合は、「アボカド醤油ソース」にしておきます。

使い残りを、醤油と共にハンドミキサーでピューレ状態にしておけば

変色も気にしないで済む!のと何かに「サッと使える」事が利点と考えています。

 

もし大量に余ってしまった場合

ピューレ状にしビニール袋に入れます。

それを金属製のメンキに高さ1cm以下に

平らにならし、冷凍庫で冷凍保存していきます。

 

急な使用時でも、厚さ1cm以下ですので

袋ごと流水解凍すれば5分程で使用できます。

予定的に使用するのであれば

2時間ほど前に冷蔵庫へ移しておけば使えるようになっています。

 

1㎝以下であれば使用する分量を、

袋のまま手で折り分けても良いかもしれませんね。

(どちらも再冷凍はお勧めできません!)

その様な場合はシリコン方が便利ですが

普通のビニール袋でも大丈夫です!

  

機能的には上記に軍配が上がりますが、

 このような形で冷凍されていたら可愛いですね!! ↓

収納機能も大事な事ですが、

ご家庭でしたら

使用時に”笑み”が出る器材を扱うのは有り!(笑)

 

 

最後

この記事が皆様の「アボカドについて」の

何かしらの一考察になれれば嬉しいです。

 

最後まで読んで頂き

ありがとうございました。

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