夏越の祓えにちなみ、水無月を仕込みます。本葛粉と葛粉の違い
本日6月30日です!
なにやら梅雨明けが発表された地域もあるみたいですが、
皆様なの地域はいかがですか?
ワールドカップ 日本×ポーランド戦も無事に終了しほっとしております。
新聞メディア等で、最後の10分について様々な論評がされてますが
結果オーライ!
ではないのかな?
監督も選手もプロとしてピッチに立ち、そこで結果を出したのです!
試合後のインタビューでの、西野 朗 監督の疲弊しきった表情に
日本代表を背負っているプレッシャーの重責が滲み出ていた様に見えました。
そして選手達にも!!
決勝リーグも期待をしていこうと思います!
冒頭にも書きましたが本日は6月30日
夏越の払えです。
そのことについては以前に書かせて頂いたので、もしよろしければご覧ください。
本日は作業工程を書いて行きたいと思います。
水無月に作り方(調理場編)
北海道産小豆を使用してます。
小豆は一度にある程度の量を炊いておきます。
冷めたら小分けにし冷凍庫へいれ保存しておきます。
(小豆の炊き方は、またの機会に書かせていただきます)
その際に、厚さ1cm程度に平らにならし冷凍します。
あれば、金属製の板状の物の上におき冷凍をかける事をお勧めします。
何故なら、冷凍する事での細胞破壊温度帯を少しでも早く通過出来る為。
何故1cmなのか?
理由は上下共に冷気が回った際に”芯”まで冷すのに短時間で済む事と、半解凍した際に
ブロック状に切り分けやすいからです。
これが厚さ3cm位になると、表面はずるずる溶けているのに、なかなか芯が半解凍
にならず切り分けようにも包丁が入らない状態になり、無理に切り分けようとすると
怪我をする確立が高くなるに加え、下面はずぶずぶになりロスも出やすい。
冷凍する際には、解凍する時のイメージをもって行う方が良いと思います。
次にレシピです
- 本葛粉 100g
- 白玉粉 70g
- 薄力粉 90g
- 白砂糖 250g
- 水 550cc
- ボウルに本葛粉と白玉粉・砂糖を手で軽く混ぜたら徐々に水を加えていきます。
- ある程度混ざったら、水を9割程加え薄力粉をいれ混ぜる。
- 別のボウルを用意し、②の溶液を裏漉しにかけながら別のボウルに入れていく。
- 残しておいた1割の水でボウルに残った粉を集め濾して行く。
- 蒸し器を用意し、蒸し器の水を沸かしておく。
- 流し缶に濾し上がった水無月地の8割ほど流しいれる
- 強火の蒸し器に入れ10分~15分蒸す。
- 9割程蒸しあがり、表面が少しゆるいかなぁ~ほどで蒸し器から外す。
- 炊いておいた小豆を上にのせ、残りの2割の水無月地をそっと流す。
- 再び蒸し器にかけ、5分~10分ほど蒸す。
- 時間になったら、なん中に竹串を刺し火の入り方を確認する。
- 竹串の周りに何もついてこなければ蒸し器から外し、常温で冷ましていきます。
蒸し器にかける際のポイントは
- 必ず蒸気が上がってから蒸していく
- 結露を気にする蒸し物であれば巻き簾を置き、クッキングシートなどを被せる
- この様にすると、上面にも蒸気が回りやすくなります
- 蒸し缶の下も巻き簾や器を置き、下方からの蒸気が万遍なく上に回る工夫をする
- 熱された蒸気での火傷には十分注意する
この様な感じに仕上がりましたので、あとは常温で冷ましていきます。
冷めたら、不等辺三角形に切り分けていきます。
ちなみにこちらの流し缶の大きさは、約21cm角です。
水無月に関しても多種多様なレシピがありますので、ご自身にあったレシピを
ご利用なさる方がいいと思ってます。
只一点
葛粉は品質の良い物の方が美味しくなるのでは?
本葛粉と葛粉の違い
*国内産本葛を50%以上使用していれば、国内産100%と表記できる。
(本葛粉としての表記も含まれる)
*吉野本葛 奈良県吉野地方で精製された葛粉を指すが、
必ずしも吉野地方でとれた葛粉を使用しているとは限らない。
例)
「国産 100% くず粉」 が2種あったとして
一つ目の原料は 国産本葛51% 諸外国産さつま芋49%
2つ目の原料は 国産本葛51% 諸外国産 本葛 49%
の場合は
1つ目は 国産 100% くず粉 の表記も可能です。
2つ目は 国産 100% 本葛粉 の表記も可能です。
なので
もし国産100%の本葛粉が欲しいのであれば、表記されている原料をしっかり
確認する必要があります。
本葛粉 (国産100%)
本葛粉 480g 2,160円 100g で 450円
国産(鹿児島県産)くず粉100%
本葛粉 1kg 4,000 100g で 400円
国産(宮崎県産・鹿児島産)くず粉100%
混合粉
吉野葛 100g × 5 1,620円 100g で 324円
原材料 本葛 ・甘藷澱粉(さつま芋)
私達は普段より「葛粉」を使い分けて使用します。
葛粉を”ずばり”食べて頂く料理の場合(くずきり・葛水仙・葛餅など)は、
本葛粉100%を好んで使いますが、
煮物の餡や、仕込み練り豆腐等・魚介などへの葛打ち作業あたりでは混合の葛粉
を使用します。(片栗粉の場合もあります)
理由は
葛粉自体の単価の違いによる、料理コストへの意識からです。
やはり葛単体が色濃く出る料理には”葛を召し上がって頂きたい”と思います。
味や香りが強く葛本来の味わいが出にくい料理であれば、本葛100%でなくても
あまり影響が無いので混合を使用します。
どちらが良い悪いではなく、何に使用するから!の明確な理由によっての事だけです。
願わくば、良い葛粉で仕事はしていきたいのですが・・・
最後に
この記事が皆様の「水無月消費」による、無病息災の一助になれればうれしいです。
最後まで読んで頂きありがとうございます。