いさき 「梅雨いさき」旬です
梅雨いさきという言葉をきいたことがありますか?
梅雨いさき
呼んで字の如くでして、
梅雨時に旬を迎えたいさきです。
他には
梅雨ハモ 梅雨イワシ 辺りが和食での「梅雨 ~ 」で献立に載ったりします。
1本 860g の中型のイサキです。
イサキについて
- 生息域は近海で海藻の多い岩礁域を好む
- いさきには、「伊佐木」や「鶏魚」との当て字が使われる。
- 幼魚には頭から尾に向け三本の黄色い縞がある。
- 「梅雨いさき」は麦の収穫時期なので「麦わらいさき」ともいわれる。
- 旬の時期の刺身は絶品。(私も大好きな魚です)
- 皮は若干磯臭いが、塩焼きにすると磯の香りが香ばしく感じる。
イサキの料理
この時期、旬を迎えたイサキは本当に美味しい魚だとおもいます。
刺身良し ・塩焼き良し ・煮付けも良し ・酒蒸し野菜あんかけも良し
握り寿司も良し(個人的には山葵の代わりに、叩き梅を忍ばせた握りがすき)
揚げても良し(ただし、骨は非常に硬いため骨煎餅には不向きです)
どの料理に使用してもハイレベルな旨みで、お客様に満足を提供してくれます。
刺身の技法の一つに「松皮造り」があります。
「松皮造り」
- 魚が入る位のボウルに氷水を用意しておきます
- 三枚に卸した皮付きの魚をまな板において、上にサラシを掛けます。
- まな板を斜めに傾け熱湯をかけます。(皮だけに火を通すイメージ)
- 皮が熱湯を掛けたことにより縮みますので、直ぐに氷水の中に魚をいれます。
- 熱が取れたら清潔なペーパータオルで魚の水分を除いて保存します。
魚の皮目が、松の木肌のような見目に似せた仕立て方です。
よく「松皮造り」で仕立てる魚に「真鯛」があり、どちらも皮に旨みが多い魚です。
松皮造りと同じ仕立てですが、魚によっては仕立て名が変わる物もあります。
「銀皮造り」
それはカツオ腹側を使い「松皮造り」と同様な処理をした物です。
カツオといえばタタキ(皮目を強火で焼き上げた物)が一般的です。
しかし、カツオの腹側にある皮は綺麗な鮮銀色なので、
銀皮を綺麗に見せて尚且つ食べれるようにした「銀皮造り」はよく用いられます。
熱湯をかけない「銀皮造り」としては、包丁で銀皮に細かく切り込みをいれます。
サワラや太刀魚等の刺身に多く用いられる手法です。
が、
個人的には、いくら皮に細かな包丁目を入れても噛み難いように思います・・・
であるならば
焼き霜造りの方を選択します。(少々銀に焼き目がつきます)
「焼霜造り」~あえて銀を残す仕様
- 氷を敷いたメンキに、金属製メンキをのせ、皮を上にした魚をおく。
- 皮に薄く塩をふる。
- ハンドバーナーで素早く皮に火を入れる(焼く必要は無く皮に火が入れば良い)
- 直ぐ皮目を氷水に入れるか、冷凍庫で冷す(必要以上に熱が行くのを防ぐ)
- 皮が冷えたら水気を拭い保存
*銀を出す(残す)必要が無ければ、皮にしっかり焼きをいれて香ばしさを
引き出しても良いと思います。こちらの方が「焼霜」らしい表情になります。
いずれの方法も、魚の身と皮の間にある脂を含めて美味しく食べられる様に
先人達の「知恵」と「工夫」によって、現代の和食へと今も継承されている技法です。
ここまで「お刺身になる前の仕立て方」を、幾つか書かせて頂きました。
でも、大きな姿の魚をご家庭では捌けない方もいると思います。
そのような時は、スーパーの鮮魚コーナーで3枚卸しにしてくれるサービスも
ありますので、鮮魚コーナーにいる職人に頼まれるといいと思います。
鮮魚コーナーには「元板前」が結構いますので、魚を綺麗に捌いてもくれますし
「この魚はどんな料理が美味いの?」なんて聞けば気軽に色々アドバイスが聞けます。
一度試してみてください。
私が言うのもなんですが・・・
板前さんは根本的にサービス精神が豊富です!
やっぱりお客さん相手の商売ですので、いつの間にかサービス精神が根付き
いつの間にかそのような人間になる傾向があります。(笑)
スーパー等で購入した刺身パックを少しでも美味しくする方法のご紹介
- 刺身パックから刺身を取り出しキッチンペパーの上に一旦おく。
- 刺身パックの中にある「大根けん」や「大葉」などを、器へ敷きかえる。
- キッチンペパーにおいた刺身を③の器におく。
- 最後に山葵をそえる
たったこれだけです!
たったこれだけですが、ポイントがあります。
- 器への並べ方として不等辺三角形におき、左奥を高く右手前を低くする。
- キッチンペーパーで刺身から滲み出ている水分を除いておく。
それだけで「全然違うもの」!とまではいきませんがかなり変わります!
ほんの数手間ですので一度お試しください。
写真のイサキはこのような仕立てでお出ししました!
最後に
この記事が「皆様の食卓での美味しい刺身」の一助になれればうれしく思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。