玉子豆腐について
そろそろ各地で蒸し暑くなってきてます。
そこで
ひやりと冷たい玉子豆腐は如何ですか?
今回は、玉子豆腐をご紹介します。
皆さんは玉子豆腐にどのようなイメージをもたれますか?
私がイメージするのは、
清らかな清流 です!
何故かというと、
仕込み豆腐系(胡麻豆腐系の葛仕事・寒天系の流し物・玉子系の蒸し仕事)の
仕事をする時は大抵、流し缶に流す事が多いからです。
慌しく仕込み系の流し作業を行うと、ほぼ荒々しさが品物に反映します。
本当に不思議なことだと思います。
清らかな清流の如く、穏やかな気持ちでつくりましょう。
そこで、流し物を作るときのポイントを書きますと
- 材料・機材は作る前の段階でしっかり準備をする事。
- 作り始めたら他の事をしない。
- あわてず、気長に丁寧な作業を終わるまで行う。
- 火加減は85℃を基準に前後2℃をキープ。
要約すればしっかりした準備の中で、気長に丁寧に作れば美味しいのは間違いなし!
です。
それでは
玉子豆腐の作り方
- 卵をボールに割り入れ分量の7割量の出汁を加えます。
- L卵5コ(300cc)に対して、出汁は300cc。 (卵液1:出汁1)
- そこに薄口醤油・味醂をいれ、お好みの味に仕上げます。
- 玉子豆腐を作る上で大事なポイントは、卵液をときほぐす際にはなるべく空気が混ざらないように素早く混ぜる事!があります。
- 後で、2回卵液を濾す為「4」の作業は派手に泡立てなければいい! (卵液に空気が過分にあっても、時間が経てば落ち着くので大丈夫です。
- 流し缶に卵液を流したら、蒸気の立った蒸し器で蒸し始めます。
- 蒸し器の蓋部分に箸を差込み、循環する熱を調節します。 (80℃~85℃以下にして下さい)
- 蒸し器の蓋は手拭を巻きつけ、蓋から落ちる水滴が卵液に混入するのを防止!
- 卵液を蒸していきます (20分前後)私は、蒸し缶を2段に構え、 卵液を上段にし、熱がじんわり伝わるようにします。(おまじない程度ですが)
- 頃合を見て「固まった?」と思ったら、真ん中を串で刺してみて確認します。
- 固まっていなければ、卵液が汲み上げられてきます。出て来なければOKです。
- 蒸し器から取り出し(火傷注意)冷めたら切り分け、出来上がりです。
蒸しあがった玉子豆腐に「すが入ってしまった」場合の考え方
蒸す温度が高すぎた可能性 ⇒ ⑦の工程の温度で蒸して下さい
卵液に空気の気泡が多く残っていた可能性 ⇒ ⑤の工程で濾した後、暫く放置
可能であれば
私達の現場では、蒸しあがった玉子豆腐はすぐ氷水の入った3回りほど大きな容器に
そのまま浸水させ急冷させることが多いです。
ブラストチラーがある場合などは、氷水で冷ます必要はありません
理由は
玉子豆腐を仕込む時期は蒸し暑い季節の為、安全を考慮してのこと。
季節的な事を踏まえて、卵料理全般に言える事なのですが、
傷みが早いので出来るだけ早めに消費するようにして下さい。
玉子豆腐の食し方
今回の数字は、卵液1:出汁1でした。
この数字は、玉子豆腐の基本形ですので、ややしっかりとした固さです。
小鉢や煮物としてお出しする固さです。
この数字が卵液1:出汁1,5~2 になりますとプロ使用の柔らかさとなり、
ご家庭で扱うには不向きなように思います。
玉子豆腐のタレは
出汁6 : 薄口醤油1 : 味醂1 で沸く寸前で追い鰹し濾す。
出汁5 : 濃口醤油1 : 味醂1 で沸く寸前で追い鰹し濾す。
どちらで食しても美味しいと思います。
出汁の色と風味が違うので、お好みでお選びください。
仕上げに青のゆず皮をすった物をかけると、一層すがすがしくなります。
最後に
難しく感じる方も多いと思う、玉子豆腐ですが実は蒸すだけの調理です。
ご家庭の食卓の一品への一助になれればうれしく思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。