和食を簡単に!

ちょっとした「コツ」や「黄金比率」で簡単に作れる和食のご紹介

大根の梅肉和え土佐まぶし  ~あしらい 

今回は、大根の梅肉和え土佐まぶしのご紹介です。

この料理は”あしらい”を目的に仕込みました。

 

あしらいとは

あしらいとは、器に盛り付けた料理を引き立てる役割の物の総称です。

食べられる物ばかりではなく、花や葉など季節を添えることにより

メインの料理が引き立つものであればいい。

 

例)下記の写真では

夏の皿として

  • メイン   ⇒ 鮎の塩焼き
  • あしらい  ⇒ 蓼の葉 ・はじかみ ・枝豆

鮎をメインとし、添えの蓼の葉で鮎を強調させ、枝豆で季節感を演出し

はじかみの酸味と辛味で口をさっぱりさせる! 

といった構造になってます。

 

料理人の中には、「焼き物=はじかみを使う」何にでも”はじかみ”を使う

人もいますが、私はその単純思考は如何な物かと思いますが・・・

 

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はじかみは、日本料理に良く利用される「矢生姜の茎の甘酢漬け」です。

ちなみに、”端噛み”とも書かれる事もあります。

 

ここで生姜の”はじかみ”について少々書いていきます。

 

”はじかみ”で使われる生姜は、軟化栽培の若取りした「葉生姜」や

それよりも若い「矢生姜」で作る事がほとんどです。

 

今ぐらいの時期(6月~8月初旬)では「谷中生姜」といわれる葉生姜で

このような葉がつき、茎がいくつか派生している物が出回ります。

葉生姜で「はじかみ」を作る場合は、茎毎に小分けにし仕込みます。

形が不揃いになりますが、数量がとれるので重宝します。

また、茎の独特な形を生かし様々な細工もできます。

 

もうひとつのはじかみ材料

「矢生姜」

先ほどの「葉生姜」が大衆素材であるなら、「矢生姜」はやや高値の生姜です。

こちらは”金時生姜”と呼ばれる品種を軟化栽培し、その若芽を収穫したものです。

「矢生姜」の産地は愛知県が特産地であり、収穫時期は4月~7月中盤頃です。

やや高値ですので、高級料亭などに卸されます。

 

 どちらで作られた「はじかみ」でも、食べる部分は先端部です。

時々、洗い物で下げられた皿の上に「はじかみ」の痕跡が無い場合があります。

「はじかみ」は読んで字の如く”端”を”かみ”なので、全て召し上がった方がいた

事には少々驚きが出ます。(上の方は筋ばっていてかたいので・・・)

 

生姜にはジンゲロンジンギオール等成分があり、その効能を目的に

漢方の半数には生姜が使われていると聞きます。

 

 まぁ~かなり筋張っているけど、お客様が良いんなら良いのかな!

 

と思いますが、繊維質が強すぎる物は消化に悪いので食べ過ぎなければOK。

そんなに食べれる物でもないしね!

 

 

生姜の有効成分を取り入れた商品は数ありますが、そのうちの一つとして

         ↓

 

 こちらの商品は、14包入りで1080円でお試しできます。

(一包当たり80円未満です)

高知産乾燥粉末・ロイヤルゼリー・柚子・羅漢果・フィッシュコラーゲン

が含まれています。

 

自分オリジナル仕様で作る事も可能ですので、一つご紹介します。

 

生姜蜂蜜の作り方

  1. 生姜(新生姜が望ましい)の外側を水洗いし、清潔な布巾で水気をふき取る
  2. 生姜をスライスする(まな板や包丁は衛生的な物を使う)
  3. スライスした生姜を、お好みの蜂蜜に漬け込む
  4. 直ぐに使用できますが、3日程漬け込むとより良いです。

柑橘系の絞り汁を数滴おとし、生姜蜂蜜をお好みの量いれ後はお湯を注げば

生姜蜂蜜茶ができます。

私も、体を温めたい時や喉の調子が悪い時などポットに入れて飲んでいます。

効果の程は数値化できないので書けませんが、気分的には良かな?と感じています。

 

 

それでは本題である、

大根の梅肉和え土佐まぶし の作り方

 1:先ず、大根をお好みのサイズに切っていきます。

2:水で大根のアクをさっと洗い流します。

3:立塩と呼ばれる、塩分濃度が海水程度の塩水に漬け込みます

 (漬け込む時間の明記は難しいですが、目安は食べて浅い塩漬物程度まで)

 

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4:良い塩梅になったらザルに打ち上げ、甘酢で地洗いします。

5:地洗い後、水気を軽くキッチンペーパーで拭います。

 

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6:そこに梅肉と薄口醤油を入れ和えていきます。

7:次に鰹節を煎っていきます。

 

鰹節を煎る理由

こちらの記事に書いてあることですが、どのような鰹節で

何を目的として使用するのかで仕立てを変えなければいけません。

お時間があればお読みになってみて下さい。

 

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上の写真のかつおぶしと比べて、違いは一目瞭然だと思います。

予算の関係上、血合い入りの鰹けずりを使用してますが、

この血合いを何とかするのが私達プロ一手間仕事なのです。

上はまだ火にかけてません。 下は良い状態まで火を入れました。

下の写真の削りは”活き活き”している様に見えませんか?

その位がベストな状態です!

 

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鰹削りを火にかける際の注意点

  • 水気の無い鍋やフライパンを利用する
  • 間口は大きいほど良い(狭いと均一に火が入りにくい)
  • 火は中火以下を保ち、時々は火から外しながら接地面の温度に注意する
  • 火が入り始めると、削り節はパリパリしてくる
  • 火を入れすぎて焦げっぽくしない事(絶対!)

 

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その後、手で揉み解していきますと、上記のようになります。

 

私達和食の仕事で「粉鰹」という仕事があります。

 

粉鰹(こがつお)を使用する主な目的は

 

味わい自体の薄い物や、相性の良い物に旨みを加える。

 

例えば、蒟蒻のキンピラであったり、青こごみを和えたり

竹の子の土佐まぶし(醤油を霧吹きにいれ粉鰹に吹き付けた物と和える)等

には定番の様に使われます。(今はその仕事も少なくなっています)

 

私の嗜好では梅と鰹節の相性は良い!と感じる事と、夏大根を使用する事での

兼ね合いでこのような仕立てとなりました。

 

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ちなみに粉鰹よりも荒めにほぐしてあるので、鰹節の食感も舌で感じると思います。

 

現在入荷可能な素材を念頭に、献立とのバランスの中での仕込みです。

各地の被害状況等をみると、今こうして仕事ができる有り難さを痛切に感じます。

 

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料理のあしらいでも使用できますが、漬物として食卓で召し上がれます。

梅の持つクエン酸等の酸味成分は、胃酸の分泌を促進し食欲増進する効果があるといわ

れています。

また、筋肉に溜まった疲労物質の乳酸をエネルギーに代謝してくれる働きもあります。

消化酵素のある大根と、梅とのコラボは夏には良い組み合わせかもしれません。

もしよろしければ、ご家庭でもお試しください。

 

最後に

この記事が皆様の「梅と鰹節料理」の一考察になれれば嬉しいです。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

 

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