和食を簡単に!

ちょっとした「コツ」や「黄金比率」で簡単に作れる和食のご紹介

ひとまず梅仕事終了の予感。 梅の簡単シャーベット!

梅仕事も終わりに近づいています。

自分用に仕込んだ青小梅のジュースも飲み終え、仕事で仕込んだ梅シロップも少し前に

在庫が無くなり。後残すは、梅ジャムのみとなりました。

 

 仕事で仕込んだ梅ジャムと梅シロップは何に使用したのかというと

デザートに使用していました。

 

どのようなデザートか?

梅シロップの方は、アガーとゼラチンで流し物ですね。

「水信玄もち」の様にしようかと考えたのですが、味わいそのものの趣旨が違うので

そちらは却下です。

普通に流し缶で流し固めて切り分け、フルーツを添えてご提供しました。

 

私達プロの間では (和食の人間は特に)

 

流し物 = 手抜き

 

みたいな思われ方があります。

 

理由

前菜に入れる煮凍りしかり、玉子を使った袱紗焼きしかり、

一度に複数人分の料理を仕立て、その上

その時の都合で24人分であったり36人分であったりと

 

板前の都合によっての

 

好い加減

 

な仕事ができるからです。

 

 

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勿論、臨機応変に対応していく能力も板前にとっては必要な事ですので

「都合で切り分ける」事への非難の意味で書いている訳ではありません。

 

献立の切り替え時や、突発的な食材入荷(仕込み)、不測の事故(こぼす等)、

予定外の増食数への緊急的対処など「都合をつけなければならない時」

には、ポーションを変えやすい流し物は、とても有効な仕事となります。

 

その逆に一点物的な仕事には、出来不出来云々よりも

 

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頑張ってるよね~

 

との、手仕事を選択した板前への敬意の念が出る傾向にあります。

 

私もその一人です!

 

やはり、職人である以上

厳しい目線もありますが、大変さが分かる為に甘く見てしまう想いもでます。

 

流し物に一手間を加えて冷凍菓子に!

以前に、「固める材料について考える」

で「弱点の対処の項目で、強酸への対処」について簡単に書いてみました。

 

その事を逆に利用し、冷凍保存でもそこまでガチガチにならない冷凍菓子

シャーベットを作ります。

 

簡単!ガチガチにならない梅シャーベットの作り方

(今回の場合)

レシピ

  • 梅ピューレ  500g(砂糖は含まれている)
  • 水     1000cc
  • 砂糖     150g
  • アガー     60g
  • 板ゼラチン   3枚 

 1:ゼラチンは水に浸け戻しておきます。

 2:水・砂糖・アガーを鍋であわせておきます。

 3:鍋に火をかけアガーが溶け始めたら、梅ピューレを加えます

 4:梅ピューレに火が入ったら(95℃程度に到達)火から外します。

 

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 5:④の鍋の3周り大きな鍋に水を張り、④の鍋をいれ溶液温度を下げます。

 6:70℃程になったら、戻しておいたゼラチンの水気を取り加えていきます。

 

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*板ゼラチンを使用する時は、必ず完全にふやかされている状態にします。

 不完全な状態で溶液に入れると、ゼラチンの塊が口に残る事もあります。

 水温で若干異なりますが、10~20分ほど水に浸けておけば大丈夫です。

 

 7:ゼラチンを入れたら全体にしっかり混ぜ合わせ金メンキに流しいれます。

 8:常温程度まで温度が下がったら冷凍庫へ

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  9:冷凍で凍れば出来上がりです。

 10:お好みに盛り込んで下さい!

 

*器に盛り込んでも良し!

シャーベット容器を、盛り込む1時間前に冷蔵庫に移した状態。

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冷酒用のぐい呑みに盛り込んでも良し!

冷凍庫からだして直ぐに、スプーンなどで薄く削いだ状態。

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同じ品でもこれだけ表情が変わります。

 

 ポイント

通常、自家製のシャーベットやアイスクリームを作る時には

溶液が固まりかけたら攪拌し、空気を混ぜ込むイメージでを!3回ほど行います。

 

もしくは、クイジナートなどのスピードカッターを使用します。

 

今回の作り方では何もしません。

 

攪拌作業を行った方が良いのですが、しなくても面白い食感のシャーベットです!

 

理由は

凝固材と梅の強酸のアンバランスから成り立つ食味です。

濃度の濃い自家製の梅ピューレを使用している為、梅が持つ強酸の影響でゼリー仕立て

にはなり難いのです。

 

ではどうするか?

 

夏場でも対応できるシャーベットにしよう!

 

との思惑です。

通常のシャーベットよりも凝固材を加えている分、溶けにくい状態です。

夏場でお客様に提供をし、食べ終えるまでの時間を考慮してみました。

 

 

提供時のタイミング

流石に冷凍庫から出して直ぐは取り分ける事はできませんので、

提供1時間前に冷蔵庫へ移しておきます。(常温はNGです)

すると、スプーンで簡単にすくえるようになります。

 

味わいは?

通常のシャーベットとは口触りというか、食感が異なりますが

私的には非常に面白と感じています。

 

ちょっと面倒な攪拌作業のいらない、簡単!シャーベット作りのご紹介でした。

 

最後に

この記事が皆様の「シャーベット作り」の別案になれれば嬉しいです。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

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クイジナート フードプロセッサー(1,9L)  19,144円

 

私はこの一回り上(3L)のサイズを使用しています。

 魚のミンチ(すり身)を攪拌したり、シャーベットを細かく粉砕したり

豆腐のソースを作ったりと何かと便利です。

 

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 *唯一、少し重さがある事

*メタルブレード(カッター)を洗う際は、十分気をつける事

*隅の汚れをしっかり落とす事

この位の注意で、費用対効果は抜群です!