ゼリーを考える。 ゼラチン? アガー?
ゼリーについて考えていきます。
各地で梅雨を迎え、じめじめ蒸し暑くなっていきます。
そんな時、喉ごしの良いゼリーはいかがでしょうか!
ゼリーの魅力とは
- つるりとした喉ごし
- 見た目の清涼感
- ソース等の”皿の上での流れ(ダレ)”をカバーできる
- 何層にも重ねられる
- 冷菓の凝固を軽減できる
等々
液状を固体化にできるため、使用範囲や用途が広がります。
単体で使用 ・・・ 調味料系のソース 琥珀寄せのデザート
ooo酢ゼリー ナパージュ 等
重ねたり包んだりの複合で使用 ・・・ 季節素材のテリーヌ 煮凍り 多層寄せ
錦玉羹 水信玄餅
凝固材は多種ありますが、それぞれに特性があります。
寒天はまた別に書きたいと思っていますので、今回は下記に絞ります。
凝固財の特性
アガー
原材料 主成分はスギノリ・ツノマタ等の海藻類から抽出した食物繊維
特性は 常温で固まり、弾力があり透明度が高い
注意点 沸騰させるとゼリーの強度が落ちてしまう
45度以下の使用ではダマになりやすい
・・・ アガーは大きく3種類あります ・・・
「パールアガー」 「イナアガー」 「クールアガー」
各社それぞれの違いはありますが、ほとんど差異はないです。
余程厳密なこだわりがないのなら、お好きなアガーでよいと思います。
その際は、各社記載の説明書をお読みください。
ちなみに私は「パールアガー」を使用しています。
ゼラチン
原材料 豚や牛等から抽出した動物性たんぱく質のコラーゲン
特性は 口溶け良く粘性と弾力性も高いが25度程で溶ける
ムースやマショマロ等の泡を包み込む性質もある
注意点 75℃以上に熱するとゼリーの強度が落ちてしまう
・・・ 弱点への対処として ・・・
タンパク質分解酵素への対処
パイナップルやキウイ等には、たんぱく質分解酵素があり凝固を阻害します。
もし使用するのであれば果汁を沸騰させて酵素を壊した後に
ゼラチンを加えると良いです。
強酸への対処
強酸(レモンやかぼす等の絞り汁)+ 熱 = 凝固を阻害。
ですので、荒熱をとったゼラチン溶液に酸果汁を加えていく。
ゼラチンの種類は?
・・・ ゼラチンは大きく3種類あります ・・・
「板ゼラチン」 「粉ゼラチン」 「顆粒ゼラチン」
板ゼラチン ・・・ 1枚の重さが決まっている為、使用する際に便利である
ふやかす時間も短く、仕上がりの透明度は高い。
使用する際は、ゼラチンの水分をふき取るようにします。
粉ゼラチン ・・・ 水分で一旦ふやかしてから使用する。
ゼラチン量の5~6倍の水分量に粉ゼラチンをかきいれ置く。
使用可能な目安は、全体に水分をすってふやければOK!
*粉ゼラチンの水分量について
例) 1000gの水分を固める場合。
使用する粉ゼラチンは約20g。(1gで5gの水分を固める)
粉ゼラチンをふやかす水分は100g(粉20g×5倍の水分)。
(味が若干薄まる事もあります)
よって、残り900gの水分を火にかけていきます。
温度が70℃で、ふやかしておいたゼラチンを入れていく。
顆粒ゼラチン ・・・ ふやかす必要はありません。
熱した液体(~70℃)に直接入れ溶かす為に
味が薄まることはありません。
大まかな特性をふまえた上で、一つレシピを公開します。
これは、私が今現在使用しているレシピです。
琥珀ゼリー
- 水1600cc
- 砂糖250g
- 板ゼラチン3枚
- パールアガー50g
- グレープエッセンス 適量
作り方
- 板ゼラチンを水にふやかしておき、すべて材料を計量しておく。
- パールアガーと砂糖を良く混ぜ、少しずつ加水しながらダマにしない。
- 木へらで泡立たない様に火を入れていく。95℃位になればよい。
- 一回り大きい鍋に水を張って、その上に③の鍋を乗せ荒熱をとる。
- 70℃位まで下がったら、水気を取ったゼラチンを入れるまぜる。
- 常温程度まで下がった後、グレープエッセンスを数滴加える。
- 流し缶に流して一晩冷蔵庫で保存した後に切り分ける。
写真からもお分かり頂けると思いますが、相当ぷるんぷるんです!!
しかしながら弾力もあり中々の出来です。
ポイントとしては
ゼラチンとアガーのW使いをしている点です。
デザートとして使用していますが、すぐ召し上がって頂ける方ばかりではない為
ゼラチンだけでは溶けてしまう可能性もあり、アガーでカバーをしております。
ゼラチンのプルプル感と、アガーの弾力性のバランスを計算した仕立てです。
もしよければ参考にして頂ければうれしく思います!
最後に
長い記事でしたがお読みいただき有難うございます。