天ぷらを美味しく! なぜ?うまく揚がらない?
今回は”天ぷら”の何故? を分析していきます!
[目次]
- そもそも”天ぷら”は難しいものか?
- 天ぷらとは
- 揚げる為の準備
- 揚げる為のコツ
- 揚がった目安
- カラッとさせるには
- 最後に
- ありがとうございました
そもそも、”天ぷら”は難しいものか?
こんな事を書くと、多くの職人さんから叱られそうですが
私個人の考えを述べさせて頂きますと。
難しい訳はないが、不適当では美味しい”天ぷら”は絶対に作れない!
と、まぁ~どの料理においてもこの事は間違いはない話です。
では
不適当を除いていけば、美味しい天ぷらになるのか?
美味しくなります!
美味しい天ぷらのなる為に
天ぷらの一つ一つを分析していきます。
天ぷらとは
種(揚げる具材)に衣液をまとわせ高温の油に入れ、
具材に火を入れつつ水分を抜いていく料理。
・・・・・??・・・
なにやら小難しく聞こえませんか?
なので
物凄く簡潔に言えば
具材を衣にくぐらせ、油で揚げて火を通す事!
只それだけの事です。
しかし、只それだけというのが実はやっかい!
料理を作る上で、作業工程が少なくなればなる程、
一つ一つの工程が大切になってくる。
実は、それが
”天ぷら”を失敗させる要因なのです。
何故失敗するのか?
それは、数字と経験と理屈が足りないから。
私達の世界で「揚げ場」を担当するのは2年目からの人間です。(店によって)
ようやく仕事や仕込みの段取りを理解し始め、調理場の戦力の一員として
ポジションを与えられた若い子達です。
「数字」と「経験」と「理屈」も足りない若い子達が、日々奮闘しながら
覚えていく仕事の一つが”天ぷら”なのです。
さすがに皆さんは、日々仕事で身につけれる環境ではないと思います。
ですので私からのアプローチの仕方は
年数を重ねる事から得られる「経験」や「数字」や「理屈」ではなく
先ずは「数字」「理屈」から説明していきます。
揚げるまで準備
(⇒は、何故そうするのか!の理屈を端的に説明しています)
揚げる材料 *余分な水分はふきとる
⇒ 具材と天衣の間で水分が蒸発し、衣から揮発する事
による跳ね油の抑制の為
*揚げる直前まで冷蔵庫等で冷しておく
⇒ 衣のグルテン作用をおこさない為
*火が通り易いように、切り込みをしておく
⇒ 均一に火が入りやすくする為
揚げ油は *出来るだけ深手の鍋もしくはフライパンを使う
⇒ 温度変化をし難くする事と、油を多く入れる為
*鍋の深さ50%まで油をはる(理想は65%程)
⇒ 油が少ないと、冷した種・衣の投入より急激に温度が
下降易く、ベタッと重い仕上がりになってしまう為
*高温を計れる温度計を仕掛けておく(170度設定)
⇒ 経験値がない場合、リアルタイムでの温度変化を
知る上で必要な為
*新しい油を使う
⇒ 古い油はコシがなくなり、カラッと揚がり難くなる為
天衣 *水500mlに対し卵黄1個をかき混ぜた卵水を冷しておく
⇒ 薄力粉のグルテン(粘り成分)の抑制の為
*水500mlの同体積分の、振るった薄力粉250gを用意する
⇒ 小麦粉に空気をもたせ、ダマを除く為
レシピ本等よくある、水1:小麦粉1とは、体積比の話です。
(小麦粉は水の約半量)
容器の準備 *揚げ物を入れるための容器を準備しておく
⇒ 天ぷら作業中は無駄な時間がない為
揚げるコツ
準備が整ったらいよいよ揚げる工程に入ります。
天衣 冷しておいた卵水に、ふるった小麦粉をざっくり沈めていきます。
混ぜるというより、沈めていく! 混ぜ込んだりは厳禁です。
あれ~ 粉っぽくて混ざってないや! ってくらいでOKです。
揚げ油 温度計がない場合は、衣を油に数滴落としていきます。
油に到達してから0.8秒で浮いてくるのが170度。
その温度であれば大体いけますので、状態をキープ!
揚げ材料 薄く小麦粉を付け、天衣にくぐらせて油に投入
揚る目安
揚げるまでの「理屈」「数字」が終了しました。
ここからはどうしても「経験」が必要となります。
が、しかし
音による、揚げ上がりの判断をご紹介します。
(擬音語表現でわかり難いかもしれません)
油に材料を入れた時点の音は
じゅわ~ じゃわわわ~ ♪ ⇒ じゅわ~の後は大きく高音が続きます。
しばらくすると
大きなじゅわわわ~から ⇒ パチパチと短かくはじける音に変わります。
その時点で80%は揚がっています
それからパチパチと短くはじける音の感覚が長くなります ⇒ パチ・ ・ ・パチ
ここで揚げ箸で種を挟み揚げてください。
すると
箸先には細かくプルプルをした振動が伝わる筈です。
これが揚がったよ!っていう合図!
揚げ油の温度目安
- 葉物や色を残したい野菜類 160℃
- 根野菜 170℃
- 魚介類 180℃~190℃
プルプル感じたらハイOK!
もう一度
プルプル感じたらハイOK!
カラッさせるには
- 一度に沢山の天材を入れると、油の温度が下がりべチャッとなるので
天材を入れる量は、鍋面積の40%以下にする。
- 天衣は温まるとグルテンが発生し、フリッターの様な仕上がりになる
為、天衣のボウルの下に氷水の入ったボウルをおくと良い。
- 油から揚げた天ぷらは、箸でつまんだまま縦に2・3回振り油を切る。
- 容器等におく時は、重ねず箸でつまんだ状態で並べておく。(寝かせない)
- 出来るだけ早く召し上がる。
- 使った油は、専用のオイルポットにクッキングペーパーを敷き濾しておく。
*揚げカスが油に残っていると、急速に油の劣化が起こります。
天ぷらを揚げている最中も、取り除きながら揚げていきましょう!
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最後に
天ぷらは、揚げるまでの準備が大切な料理です。
油投入前の準備が、成功の80%を握っているという方もいます!
文字や数字で説明はできますが、感覚を伝授習得させるのは難しい。
記事を書いていて、改めてそう思いました。
しかし
先ほど、天ぷらは準備が80%と書きました。
という事は
しっかり準備をしておけば80%は出来ている!
と言う事となり
残り20%の揚げ作業
「経験」をつめばもう ”お手の物!”
だって、もうすでに80%は出来ているのだから!!
皆様の”天ぷら”がより良くなる一助になれる事を願っています。
本当に長い話を最後までお読み頂き、有難うございました。
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