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とうもろこしが出始めてます。
そこで今回はとうもろこしを使った一品のご紹介です。
日本でのとうもろこしの歴史は諸説あるが、1580年頃に、ポルトガル人によって
長崎にもたらされたとされています。
呼び名は地方によって様々で、唐黍(とうきび)や、「もろこし」など多々ある。
私の出生地では「とうもろこし」や「もろこし」でした。
そんな「とうもろこし」の種類は?(主要種)
- 甘味種(スイートコーン) 糖分がおおく、一般的に馴染みの深い食用種
- 爆裂種(ポップコーン) 名前の通り!映画館でおなじみのポップコーン種
- もち種 (ワキシーコーン)もちもちした食感が特徴の食用種
他にも数種類ありますが、入手困難というよりは一般消費者向けではなく
工業製品に加工されてからの話になるので割愛いたします。
やはり一般消費者にとってはスイートコーン系である
「ミライ」 「ゴールドラッシュ」「ハニーバンタム」 辺りが馴染み深いですね。
近年、というよりもう既に生食可!のとうもろこしが普通に出回っています。
「ミライ」は1990年代に生食可!で鮮烈デビューした
生食可能とうもろこしのパイオニア的存在でした!
私はまだ学生の頃の気がします。
もっと遡り、私が小学校の時の話
夏休みの宿題で「とうもろこし観察絵日記」が夏休みの自由研究にありまして
終業式が終わり家に帰ると直ぐに数粒の種を庭に撒き、後はほったらかし・・・
しかし奇跡的にも徐々に実が大きくなり、ついには8月中旬に収穫!
(今思えば、母親が水をあげていたのかもしれません)
まだ子供ですので実が大きくなるまでは殆ど興味が無かったのですが、
実が徐々に大きくなるにつれ
「いつになったら食べれるのかなぁ?」
と、食欲に胸を膨らませていつか来るその日を楽しみにしていました。
そんな待ちに待った収穫の日(多分、待ちきれずに捥ぎ取ったはず・・・)
私の記憶にある「とうもろこし」の味は
あんまり美味しくない・・・
それで醤油をぬって焼いてもらって食べた気がします。
屋台で売っているアレですね。
それからちょっとして「甘いとうもろこし」が出始めました。
それが「ハニーバンタム」と知ったのは、この仕事についた数年後です。
私にとって今の「とうもろこし」とは、自分の少年期の思い出からは全く別の物!
なのでついつい、「今の甘いとうもろこし」に醤油を塗って食べては
「あ~なんか違うんだよなぁ~」と思ってしまします。
わかる方は方は少ないと思いますが、あの味気の無い「とうもろこし」だからこそ
醤油のコゲと合う! このように思ってます。
勿論今の甘い「とうもろこし」でも美味しいのは間違いないのです
が・・・
とうもろこしのゆで方
2通りあります。
水から入れ沸騰して3分~5分たったら、お湯から取り出し自然冷却
⇒ ぷっくらした身になり甘味がでる
沸騰したお湯から入れ3~5分たったら、お湯から取り出し自然冷却
⇒ シャキっとした身になり甘味が出る
(ゆでる時は、皮付きか皮無しどちらが良い?⇒どちらとも大して変わらない)
茹でた後は
*どちらとも、茹でた後に濃い目の塩水に2~3分つければ甘味が増す。
・これはスイカに塩と同じ効果だと思います。
・料理に使用する場合は漬けない方がいいです(塩味が付くから)
*どちらとも、皮付きならばそのままでも良いのですが、皮なしの場合なら
ラップで包み込み乾燥を防ぎます。
それでは今の「甘いとうもろこし」を使った料理のご紹介します。
唐黍豆腐の作り方
- 吉野本葛を豆乳(分量内)で溶いでおく
- 茹でたとうもろこしの実だけを包丁でこそげ取りジューサーへ入れます
- そこに今回は「豆乳」をいれてジュースにします
- ジュースの中身を目の細かな裏漉しで濾して、滑らかにします
- 鍋にとうもろこしピューレをいれ、豆乳で溶いて裏漉した本葛粉液をまぜる
- 鍋を火にかけ、フツフツするまで中強火で手早く混ぜ続ける
- 塩・薄口醤油・味醂をいれ薄く味を加える
- 次第にトロミが付いて来るので中火弱に火加減を落とす
- 混ぜヘラを常に鍋肌にこすり付けるイメージで、暫く混ぜ続けます
- 何分とは言い切れませんが、混ぜる時間は最低20分見ていてください。
- 感覚的には、トロミ⇒ 強いトロミ⇒ トロミがゆるくなる⇒ もうじき終了
- 後は型に流して、表面に水でぬらしたラップをかけて冷めるまで待ちます。
- 適当な大きさに切り分け、お出汁を張って召し上がります。
(①②③までの工程~ 写真はバイカラーコーン)
各ポイント
- 液体は、豆乳でなくても、水でも牛乳でもお好きなものをお使い下さい。
- 葛粉もとうもろこしピューレも濾す事によって口当たりが滑らかになり 自然ダマにはならない。
- 調味料は感じるか感じないかのギリギリの方が素材を表しやすい。
- 葛仕事は液体にトロミを付ける事が多く、加熱した液体の様子は マグマがフツフツ飛び出る様に似ています
- 火傷には十分に気を付けてください。
- どうしても火にかかる鍋底が焦げ付きやすいので、鍋底を擦るようにする。
- 流す型にはあらかじめ水で濡らしておくと、型から外す時に楽である。
葛練り仕事の要点は、葛粉と水分の重量比率の関係の理解です。
水分量の中に葛粉がどの位残っているかで、練り上げた品の硬さが決まります。
一応基本的な目安として「割り」がありますので書いておきます。
葛豆腐系の割り
水 8 : 葛粉 1 : 混ぜるもの 1~2 調味料 少々
私達プロは、基本的な割りでこのくらい練り上げた物がこの位の硬さ!
といった仕事をこれまで幾度も行っておりますので、ある程度の判断は出来ます。
もしご家庭でお作りにのなる場合、水の所を「8」ではなく「6」か「6,5」に
されると少々硬くなりますが作り易いのでは?とおもいます。
いずれにしても上記に記載した各ポイントは大事になります。
季節的に気持ち早いのですが、枝豆の薄皮をむいた物とじゅん菜・山葵を添えて
割り出しを入れてのご提供です。
「唐黍豆腐 ~季節の食味をそえて」
割り出しは
出汁 6 : 濃口醤油 1 : 味醂 1(合わせ沸かす手前まで火にかける)
ちょっと手の込んだ「とうもろこし」料理ですが、面倒であれば
市販の「茹でとうもろこし」や、ポタージュコーンスープでも作れますので
一度お試し下さい。 ただし、火傷には注意して下さい!!
最後に
この記事が皆様の「思い出のとうもろこし」の一役になれればうれしく思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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大根の甘酢漬け ~今の大根はみずみずしい!
大根をテーマに書かせて頂きます。
何故この時期に大根を?
大根って冬が旬ではないの?
というお声も聞こえてきそうですが、ずばり
今の旬もあります!
どの様なことか?
大雑把に書きますと、今頃の大根は3~4月頃に種をまきます。
すると5~6月頃に収穫されます。
それらを称して「春大根」と呼ばれる「時期物」として私たちは扱います。
では、もう一つの旬はというと
9月~10月頃に種をまき、12月前後に収穫される「秋冬大根」がそれにあたります。
双方の特徴は
春大根であれば、みずみずしさではないでしょうか! 若干、大根特有の辛味も
ありますが、全体的に水分量の多い大根だと思います。
サラダにしたり、さっと煮や、ピクルスにも合うかもしれません。
シャクシャクした感触がありますので、それを生かした料理が向いてます。
冬大根は成長速度が遅く、ずっしり実が詰まり甘味を含んでいますので
やはり、「煮物」や大根おろしを使った「おろし和え」、漬物などに使用することが
多いです。 この時期の大根はオールマイティーな万能選手なのですが、万能ゆえに
煮物への特化使用でいいのでは?と思います。
サラダにも合いますが、サラダであれば聖護院大根でもいいし、蕪だって良いのです。
むしろ大根じゃなければ!という使用にこそ値する素材であると考えます。
春大根を選ぶ際の注意点
春大根を包丁で切り分けてみたら、中身がバサバサで「す」が入っていた!
なんて経験はありませんか?
大根おろしで使おうにも緑緑しておいしくなかったりの経験は?
私もそのような大根を扱った経験があります。
搬入時に春大根をよくみましたよ!
春大根のチェック項目
- ヒゲは一列にきれいに生えてるか?
- ずっしり重く感じるか?
- 手に取ってみて、皮の張りがしっかりしているか?
- 葉が生えている部分の中心部をみて、トウ立ちの気配は無いか?
- 新鮮か良いものかを直感的に?
吟味して選んだ大根に打ちのめされた時は、なんて切ないものか・・・
秋冬大根にくらべると、春大根は目利きが難しいと思えます。
それでも良い大根に出会うと本当に心嬉しくなります。
そんな良い春大根での逸品をご紹介します。
ゆず風味の大根甘酢漬け
- 大根を2mm程度の厚さに切る(イチョウでも短冊でも何切りでも良いです)
- 人参は1mm程度の厚さに切る(大根と同様です)
- ボウルにザルをかけ大根と人参をさっと洗います。
- 水気を切ったらボウルに移し、酢を全体にかけます(酢洗い)
- 酢洗いしたら、手で軽く絞り再びボウルへ戻します
- 別のボウルに甘酢を合わせておき、野菜の入ったボウルに流しいれます。
- ゆずは皮の白い所を切り外し、その後に千切りします。
- 甘酢がかかった野菜の中に混ぜ込みます
- 野菜をしっかり蓋ができる容器に移し変えます。
- 一日数回、野菜の上下を入れ替える様に混ぜる。
- 3日程で出来上がりますが、5日目位の方が良く馴染み美味しく思います。
*①②で、大根と人参を合わせる場合、視覚効果を考慮すると良いです。
白の中に赤の場合、赤は白よりも量を少なくサイズも小さくする事が多いです。
お節の紅白膾も大抵そうなっているのは、その方が美しく見えるという事からです。
ゆずの皮の裏側には、写真右手側のようなワタがありますので取り除く。
ワタには若干苦味があるので、取り除かれた方が綺麗な味になります。
私は暮れの時期になりますと、柚子の黄色い皮だけを包丁でむき冷凍庫で保存
して置きます。(その年で使う分)
こうしておくと、黄柚子が無い季節でも使用することが出来ます。
皮をむいた中身は、厚めのスライスにした後に「はちみつ」に漬けたり
中身を搾り出しては冷凍で保存し、ある程度の量になったら「柚子ゼリー」として
お客様に甘味としてお出しします。
その際、仕込んでおいた「柚子はちみつ漬け」をベースにソースをつくり
柚子ゼリーに添えます。 「W柚子仕立て」←コンンビニスイーツみたいな(笑)
柚子ゼリーだけでは見た目が寂しいので、上には金粉をパラリ!して演出。
柚子を余すこと無く使う気持ちで作ってきましたが、お客様には好評価を頂いていましたので、今年の暮れも作っていこうと思っています。
*⑨⑩の段階です。 ⑪は来週明け位です。
この大根の甘酢漬けは、私の若い頃に教わったレシピから今の感覚に修正をかけ
つくっているものです。
大根甘酢漬け (旧式) (今)
- 砂糖 120g ~ 140g 100g ~ 120g
- 塩 13g ~ 15g 13g ~ 15g
- 酢 50g ~ 60g 50g ~ 60g
- 柚子皮 少々 少々
*漬け込む大根の重さで、上記の数字を何倍にするかが変わります。
*概ね、砂糖は塩の8倍量です。
また「砂糖」については今後別記で書こうと思っているのですが
かなり前の日本料理の文献に書かれている「砂糖の量」は現代のレシピ本等に
比べると遥かに使用量が多いのが特徴の一つです。
理由として考えられる事は
砂糖自体の精度が低く、相応の分量を使う必要があった。
耐久性ある保存が必要であったこと! が、主な理由であろうと思います。
その世代の親方の下にいたのが現80代辺りの親方衆で、その下にいたのが
現60半ば位の親方衆で、私達の年代は大体この世代の方の下にいた事になります。
いくつの世代を超え、現代は冷蔵機器の普及・発展があり「砂糖」への依存も
減り、ニーズも薄まっています。
その事からも「当時の教えを忠実に!」では時代とのズレが生じてきます。
行く川の流れは絶えずして しかももとの水にあらず
同じような仕事でも、時代に合わせ変化していく事は必然なのかもしれません。
仕事中に言われたことを、忘れない内に急いで書き綴ったので汚い字です・・・
若い時、仕事中は常に何かに追われていた気がします。
なので
聞いたことを素早く書いて、あとで時間があったときに書き直そう!
と、思っていてすっかり忘れていたなんて事は日常茶飯事でした。
今、改めて当時のメモ帳をみると
自分で書いたはずなのに、なんて書いているのかわからない??
摩訶不思議な現象が・・・・
良い思い出です。
それにしてもメモの下に記述してある
甘めにする ← これに時代を感じます。
最後に
この記事が、皆様の春大根を使った一品の一助になれれば嬉しく思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
黒毛和牛のトレサービリティー
少し前に「牛肉文化? 牛肉を考える! 格付け - 和食を簡単に!」の話を
書かせて頂きました。
私が普段仕事で扱うのは黒毛和牛なのですが、それがこちらです。
つい最近の入荷牛です。
私達が買う時は、大抵ブロックの状態の塊肉で買います。
正味重量に14,9kと記されています。
肉の前にはってあるのは、牛肉固体識別番号を提示したタグです。
平成16年12月1日から「牛肉トレサービリティー法」が義務付けられました。
トレサービリティーとは
生産者から加工、流通業者、小売店や外食や一般消費者まで、又は最終処分に到るまでの流通経路を追跡可能な状態を指します。
この制度によって、過去に起きた牛肉偽装事件のような事が再び起きない様にする為に
導入されました。
産地名に下に10桁の数字が記載されていますが、この数字はスーパー等で売られている牛肉のパックにも記載されています。
(独)家畜改良センターが管轄する「牛の個体識別情報」という所に入力すると
個体識別番号 | 出生の年月日 | 雌雄の別 | 母牛の個体識別番号 | 種別 |
---|---|---|---|---|
1500815798 | 2015.11.16 | 去勢(雄) | 1341972186 |
【異動情報】
異動内容 | 異動年月日 | 飼養施設所在地 | 氏名または名称 | ||
---|---|---|---|---|---|
都道府県 | 市区町村 | ||||
1 | 出生 | 2015.11.16 | 長崎県 | 平戸市 | 森田 増実 |
2 | 転出 | 2016.07.21 | 長崎県 | 平戸市 | 森田 増実 |
3 | 搬入 | 2016.07.21 | 長崎県 | 平戸市 | 平戸口中央家畜市場 |
4 | 取引 | 2016.07.21 | 長崎県 | 平戸市 | 平戸口中央家畜市場 |
5 | 転入 | 2016.07.21 | 宮崎県 | 西都市 | (株)サイトーファーム |
6 | 転出 | 2016.08.25 | 宮崎県 | 西都市 | (株)サイトーファーム |
7 | 転入 | 2016.08.25 | 宮崎県 | 児湯郡新富町 | (株)サイトーファーム 新富牧場 |
8 | 転出 | 2018.05.15 | 宮崎県 | 児湯郡新富町 | (株)サイトーファーム 新富牧場 |
9 | 搬入 | 2018.05.15 | 福岡県 | 太宰府市 | 九州協同食肉(株) |
10 | と畜 | 2018.05.16 | 福岡県 | 太宰府市 | 九州協同食肉(株) |
出生年月日から母牛、そしてと蓄までの経緯が表示されます。
ここまでしっかりとした情報管理がされるわけです。
輸入牛を国産と偽り国から補助金を搾取した事件や、BSE(狂牛病)が発症した肉を
販売にかけたりした事件などによる、消費者の牛肉への信頼を取り戻す策として
の導入でしたが、むしろ最終消費者の前段階(出生からと蓄までの業者)にとっての
詐称が出来ないようにする為のシステムです。
そしてこのシステムで重要な所は、もし何か不足の事態が判明したとしても
どの牛でどの段階で「事故が起きたのか?」をある程度、突きとめる事が可能
となる所です。
もしどこかのスーパーで買った牛肉に問題が起きた場合。
パックされていた牛の「牛肉固体番号」から、どの牛に問題があったかを探し出し
問題のあった牛の販売を即座に中止させることが出来ます。
要は、疑わしくば全て駄目!ではなく、これは駄目でもこれなら良い!になる。
私自身の考えとして、お客様にお出しする素材は搬入業者とよく話し合った末に
一先ず合意をします。 それからは搬入物を見てその都度都度感じた事を言います。
大体そのような事を1年以上繰り返しますと、程度の低い品を持ってくる事はなくなり自然よい素材や良い情報が入ってくるようになります。
しかし、搬入業者も人です!
品がよければ得意げに見せつけ、ちょっとの時は口数は減り足早に帰ろうとします。
搬入業者の中には、私より若い子もおれば年配の方もいますし、肩書き持ちもいます。
皆自分の仕事の為に、私の細かい要望を元に提案をかけてくれています。
折り合えない部分もあれば、望み以上の提案もあったり、繁忙期の都合も絡んでくるので中々全てに良し!にはなりませんが、業者さんとの話で感じることは
みんな良い仕事をして人に喜んでもらいたい!
のではないのかなぁ~!と思います。
私もその内の一人です。
お客様に良い品を提供してよろこんでもらいたいのです!
牛肉を無駄なく使うには?
私の牛肉の処理の仕方はこんな感じです。
ちなみにこれは、先ほどの肉とは違います(和牛のかぶり部位)
(少し前に仕込んだ時の写真です)
ですが、この肉同様に筋を脂部分を綺麗に取り除きます。
肉の塊にもよりますが、脂と筋が付いていた元の状態の20%以上は目減りします。
わかりやすく数字で表すと
1k=1万円の塊肉10K 購入 ⇒ 10万円で10k肉 ⇒ k= 1万円
10k=10万円から脂・筋を除き正味8kに ⇒ 10万円で8k肉 ⇒ K=12,500円
同じ肉でもK単価は2500円も高くなります。
当然、販売価格にも影響していきます。
ですが、純粋に肉の味わいを召し上がって頂くには
脂と肉の間にある筋は非常に邪魔なのです!
脂と身と筋ではそもそも融点が違うので、同時に全てベストな状態では焼けません。
あちらを立てれば こちらが立たず・・・
であれば
純粋に肉の持つ美味さを味わってもらおう
との思いからの仕事になります。
では脂と筋は捨ててしまうのか?
というと、そうではありません。
まず脂ですが、通常お出ししている料理のソースとして使っています。
- 鍋に脂をいれ火にかける
- 次第に脂が溶けてくるので、筋のある切りくず肉を炒める
- 玉ねぎ荒切り、切り端人参、長ネギの青い所、生姜の皮などを炒める
- 酒・みりん・濃口醤油・100%果汁のりんごジュース・砂糖を入れる
- 沸かさない状態で、3割ほど煮詰める
- たまり醤油・練り胡麻(白)を加え味の調節をする
- 按配よければ目の細かいザルで濾していく
最終仕上げの段階を書くのは控えますが、かなり旨みの濃いソースができます。
副次的にスジ肉や溶け切らなかった脂の煮付けも出来上がります。
これは賄いに落としたり、もう一手間かけて料理に仕立てたりもしています。
牛肉だけではなく、野菜の切れ端など大事に保存しておき
無駄が出ない様に工夫することは、コストの軽減にも繋がり財布に優しくなります。
最後に
この記事が皆様にとって、牛肉知識の一助になれればうれしく思います。
牛トレサービリティーで、安心した牛肉が食卓に並ぶことを願います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。