寿司について考慮 ~寿司酢で手軽に
今回は、寿司酢について書かせて頂きます。
皆様はご家庭でお寿司を作る事はありますか?
寿司ってなんだか難しそう~
と、思う方が多いのではないでしょうか?
確かに、本職のお寿司屋さんの様に作ろう考えると敷居が高く感じてしまいます。
そこに加え
寿司屋ばりにネタ(握る素材)を揃えようものなら
スーパーでパック詰めされたお寿司を買って来た方が
遥 か に 安 い
仮にスーパー等で寿司ネタを買ってきて用意すると
- 鮪は赤身のばち鮪 (一柵200g) 1000円(15貫握れる)
- 白身はぶり(養殖柵 100g450円) 600円 (8貫握れる)
- 冷凍アルゼンチン海老生食用 (6本入り 500円)(6貫握れる)
- 刺身用サーモン(養殖柵100g400円) 600円 (10貫握れる)
- 玉子焼き (真空パック1本15cm 400円)(10貫握れる)
- いくら (鱒イクラ1パック100g)600円(10貫握れる)
- 外国産うに 1箱(5cm×10cm) 1200円(3貫握れる)
- 寿司海苔 10枚入り1パック 300円
- ガリ 1パック 300円
材料費だけで6000円近く掛かります。
(スーパーで材料を購入した場合の相場を考慮させて頂きました。
私達プロの相場ではありません)
ではこの6000円分の材料で、どれだけのお寿司が握れるかというと
62貫のお寿司が握れる
ここでは書くのは一般的な寿司屋の話
(高級鮨店や、回転すしは入りません)
通常一人前のお品書きには
- 並寿司
- 上寿司
- 特上寿司
辺りがあると思います。
これらの違いというか、値段の差は何かと言うと
握った素材と、握りの数(貫数)によるものです。
先ずは基本的な事から
一人前の握りとして、6貫・1本 が基本にあります。
店によっては握りだけで10貫程。
この基本は何か
それはご飯(シャリ)の量による所です。
ご飯茶碗で一杯半!
これが一人前の寿司飯(シャリ)に使う量なのです。
このような画像を何かで見かけた事はありませんか?
細かくは書きませんが、時代的には江戸時代の寿司が描かれています。
江戸時代の握り寿司は、現代の寿司に比べ遥かにデカイ!
3倍から4倍のシャリ量があり、ネタも大きい。
何故か?
腹を満たすのではなく、ちょいとのつまみ。
つまみではあるが、江戸時代の主食はなんといってもお米。
大人一人が一日に食べる米の量は
な ん と 5合!(1,750g)
私達が一日に消費するお米の量は、お茶碗で平均2,5杯(425g)
ですので、およそ4倍以上のお米を食べていたのです。
当時と今との食文化の違いを事細かく比較しても仕方ありません。
江戸時代の人にとって「お米」は食事そのものだったのです。
ですので、ちょっと小腹を満たす為の”おやつ感覚”としての寿司ではあったが
時代背景から「おにぎりサイズ」であるのもうなずけます。
また当時の寿司屋は屋台形式で、とても気軽に立ち寄れる存在でした。
A:「ちょいと小腹が減ったなぁ~」
B:「したら、あそこでつまんでいこうや!」
と、現代ならファミレスでスイーツセット(ドリンクバー付き)で利用するの如く
暖簾をくぐり1・2個つまんでは
「オヤジ 勘定!」
と店を出て行くスタイルでした。
その成り行きにより、寿司は飯場の飯ではなく、”ちょっとの間のつまみ”として
ポジションを確立していきました。
ここで
現代での寿司一人前のシャリの量
茶碗一杯半とはどれ程の量か?
炊飯したご飯1合の重量は350gです。(炊飯前の1合は150g)
炊飯したお米でお茶碗1杯の重量は、約150g
↓
現代の寿司1人前で使用する米は、 (6貫・1本が基準として)
お茶碗1杯半なので225gとなります。
そこにネタ(6貫 × 17gとして =約100g +巻芯30g)を加え
おおよそ350gの食材重量となります。
一人前の食事量(カロリー計算は考慮しない)は、350gなのです。
ここで一つ比較をします。
某大手牛丼屋さんの ご飯と 具材(肉)の総重量です。
並盛り ご飯260g 具材(肉) 85g =345g
大盛り ご飯320g 具材(肉)110g =430g
特盛り ご飯320g 具材(肉)170g =490g
(今現在はわかりませんが、ほんの数年前の記載です)
女性の方やお歳を召した方、まだ体の大きくなっていない子供でしたら
”並盛り”でもお腹を満たす事はあるかと思います。
働き盛りの男性では”並盛り”では重量的に足りないでしょうね!
やはり
現代の一人前の寿司も、腹一杯! を目的として食べるものではなく
ちょっとつまもうか!的な立ち位置になっていると思います。
大雑把ではありますが、寿司に使用する米の量がお分かりになられたと思います。
今度は本題である
寿司酢について書いていきます。
私が実際に旅館(九州)で使用しているレシピを記します。
私自身も、幾つか寿司酢の割りは持っています。
その中からこちらを選択させて頂きました。
分量
- 米酢 180ml
- 砂糖 135g
- 塩 40g
寿司酢の作り方
- 酢一升を鍋に入れる
- 砂糖を1350g・塩400gを酢の入った鍋に入れる
- 鍋に中火をかけ、砂糖が溶けたら火をとめる
- 冷めたら容器に入れ、冷暗所で保存する(常温でも可能)
ご飯と寿司酢の量
ご飯 1合 ⇒ 35~40cc
2合 ⇒ 70~80cc
3合 ⇒ 80~120cc
1合に付き40cc位比例させていけばいいと思います。
ポイント
酢は沸騰させてはいけません。 ⇒ 酢が飛んでしまい風味が無くなってしまいます
砂糖が溶ければそれでいい!程度に気軽に火にかけてください。
少量合わせであれば、ホイッパーなどで混ぜ合わせるだけでも大丈夫です。
容器で保存する際には、必ず衛生的な容器にして下さい。
私の場合は
もともとお酢が入っていたペットボトルに入れます。
その時に「地洗い」という作業をした後に、仕込み酢を入れて保存しています。
地洗い
保存するであろう衛生的な容器に、仕込んだ際に出た煮汁などを流しいれ
容器全体にその地を馴染ませておく。
馴染ませた液は廃棄(2~3回行うと更に効果的)し、改めて仕込み物を入れる事。
うなぎのタレでは?
タレを地荒いで使うのは非常にもったいないので、生醤油や煮酒などで行います。
寿司酢のレシピは、他のサイト等でも数多く紹介させています。
皆様のお好みの寿司酢を採用されるのが望ましいと考えていますので
私からはこのレシピの掲載にとどめておきます。
一言
「ポイント」と「地洗い」の必要性だけは皆様へ是非ともお伝えしたい項目です。
手作り寿司酢をストックしておくと何かと便利です。
冒頭で62貫の寿司を握るのに6000円掛かると書きました。
62貫を寿司屋の基本に当てはめると大体ですが、6人前の寿司になります。
すると
一人前あたり1000円でお好みの寿司を作れることになります。
寿司パックよりは多少高くなりますが、寿司屋よりも安く上がります。
人が集まった時に、寿司パーティーを催せば楽しいイベントになる事
間違いなし!
一人では余しがちな寿司ネタも、数人集まれば消費するは容易いです。
握りなどの技術的なことは、近日中にご紹介させて頂きたいと思ってます。
最後に
この記事が皆様の「寿司」への一考察になれれば嬉しく思います。
最後まで読んで頂きありがとうございました。