我が家の秀品達 鰹本節削り器
我が家の秀品達！といったタイトルで我が家グッズをご紹介します。
正直言って
かなりの年代物でして、今も同タイプが販売されているのかは未定です。
今の世の風潮に、断捨離なる造語が飛び交っています。
そんな中にあっても
我が家の秀品達は、今の世の風潮とはやや別の次元にある様な気がします。
愛工業株式会社 MADE IN JAPAN
商品名 オカカ
こちらの製品は、カツオ節削り器です。
いつ購入したかは忘れましたが、２０年近く我が家で活躍している品です。
どのようなか姿であるのかというと
上部を開けた状態です。
上部には金属製の歯があります。
そして下の回転台の部分にも、角度的に120度間隔で３箇所に歯があります。
上部の歯はカツオ節を挟んだ時に、カツオ節が動かない様にする為のストッパー役。
下にある3箇所の歯は、カツオ節を削る為のものです。
そして写真最上部にあるオレンジ色をしたレバー部分は、下の歯がついている回転盤を
回転させる為のものです。
これをくるくる平行に回していけば、下の回転盤が回り、はさまれたカツオ節が
削り取られる！といった道具になります。
こちらの道具の素晴らしい点は、
安全性の確保
に尽きると実感しています。
鉋の刃が上を向いている”本格式”のタイプは慣れて来てから、又は時間にゆとりが
ある方、もしくは最高のお吸い物を飲む為に労を惜しまない方には良いと思います。
三条鍛冶屋の鰹節削り器 ２０，３０４円
- 大きさ 約 長さ 28,５㎝ 幅 11cm 高さ 12,5cm
- 刃渡り 47mm
- 重さ 1,25kg
- 材質 台座：白樫 外箱：桐 刃部：最高級日立金属安来銅青紙2号
- 付属 枕崎本枯れ節（250g～300ｇ） 無料刃研ぎ直し券1枚
実家にもこの手のタイプがあり、小さな頃カツオ節を削って遊んだ記憶があります。
美味く削れると,鉋下にある受け箱に削りたてのカツオ節が溜まります。
子供ですので上手く削れるわけも無く、細かな削りカスが申し訳ない程度に入っている
だけ。
親もわかったもので、「頼んだぞ！｣と削り難くなった小さな部分を手渡します。
するとますます削り難い・・・
初めは楽しく削っていたものの、最終的に小さなカツオ節は口の中へ。
上等なスルメみたいな物でして、口の中に入れておけばおくほどカツオ節から
旨みが滲み出てきますし、次第に端の方から柔らかくなってくるので
柔らかくなった端から噛んではを繰り返して行うと喋る事ができないわけです。
今思うと、親の目的は私を静かにさせておくこと！
だったのでは？？
親の思惑は今となってはわかりませんが、私自身 鉋式の削り器には懐かしさと
少し切ない気持ちが出てきます。（それと怪我した記憶も）
かつおぶし削り オカカ ２２０１１ ４,８４０円
- 大きさ 長さ 20,5ｃｍ 幅 19,2cm 高さ 26,1cm
- 重さ ９８５g
- 材質 ABS樹脂 ポリプロピレン ポリエチレン ポリアセタール樹脂 等
- 生産国 日本
本節を削っている調理場は稀少
私の若い頃より既に削り節は市場に出回っており、私自身仕事で本節を削る作業は
数える程の経験しかありません。
出汁が命の筈なのに何故？
調理の仕事で雑務がメインのポジションにある者は、概ね経験値が同僚に比べ
劣っていたり、実力があっても派閥外からの参入であったり、理由は様々です。
基本的に雑務の多くは、人が嫌がる仕事です。
自分よりも劣る(？)人間に、人が嫌がる仕事はどんどんと流れていきます。
その為
請け負った者は、雑務の多さで仕事が捌き切れず、しまいには
やってられっか！と辞めてしまう。
すると、今まで行っていた人間に再び回ってくる・・・
悪循環であり、自業自得ともいえます。
私達の職業では、調理場の人数にもよりますが
- 板長（花板・主任・調理長）
- 立板
- 煮方
- 向板（むこういた）
- 八寸場
- 焼き方
- 揚げ方
- 見習い（坊主・ぼんちゃん・アヒル）
このような階層があります。
全ての調理場が、このような形式には当てはまりません。
「八寸場」を若い子に任せるか、立板（2番)が監修するかは親方次第です。
聞いた話では、焼き方を2番の位置にすえている場もあるみたいですので
大体は！という程度で了承してください。
雑用を行う人間がいないければ、自分がやらなければいけなくなる！
ポジションが下の人間に任される仕事の大部分は雑用です。
雑用といっても、店を滞りなく運営するためには絶対必要な仕事です。
必ず誰かがやらなければならない仕事なのです。
花板だの、板長だのといっても所詮は下仕事の上に存在しているわけで
下がいない一人板場の場合、もしくはオーナー兼シェフで一人スタッフ店舗も
同様に雑用も含め一人で店を回さなければならなくなります。
ですが、多くの調理場では上がいて下がいます。
上は下に辞められて困ります。
上はオーナー若しくはお客様・下の者に「個」を示す為に、拘りを提示します！
その拘りがどこにあるのかが
カツオ節をかいて出汁をとるか、その他の所に持っていくか？
の方向性なのです。（両方もある）
私の若い頃には既に、ヘタな見習いが削るよりも遥かに品質共に良い「削りたて」
が「市場内の削り専門卸」には揃っておりました。
（ロスも無く、教える時間も必要なし）
上の人間からしてみたら、教えてもヘタを打たれその件で施行者に腹立つ位なら
卸から買った方が品質は安定するし、怒った事で辞められるリスクも減る。
でも、自分の頃と違って「お前｣はどれだけ楽なんだ！！って事は分かってほしい。
経営陣からは人件費を抑えられ、少人数で多量販売をもとめられる。
三昔前の様な丁稚奉公的精神で職場に就く人間はほぼ皆無。（それが正常では！？）
色々なものを抱えての献立作成をし、労働配分を行う。
上も葛藤なんですね。
家庭での話であれば、葛藤は自分の心持ちと時間だけになります。
根本は、自分がどうしたいのか？
家族に良い物を出したい！と自分が思っての選択か？
その事で自分も家族も満足を得られるのか？
を総合して、ご家庭で使用する道具も材料も換わって（代）きます。
我が家でのカツオ節を削る道具はこちらだった！というわけです。
ちなみにかき出した鰹削りは回転盤の下にあるボックスに溜まっていきます。
取っ手は机の引出し状になっており、刃物に触れる危険性はありません。
はじめの写真にあった、パッキン状の部品をめくると回転盤にある削り刃を交換
する事が可能です。
やはり新しい刃に替えると、気持ちがいい程よくかけますよ！
（妻曰く ： さいこう！！）
替え刃 ３枚 で １１３３円
もし刃を取り替えるなら、全部替えた方がいいです！
一箇所ずつかえるとかえって削りにくくなりますよ。
”本格派”との差というか何かの違いでいえば、粉がつおがでる量かもしれません。
（写真は削った後の写真ではありません）
粉がつおの跡をみれば、手で感触を確かめながら削る”本格派”と回転盤で削りとる
家庭用との違いがわかります。（削り歯の形状の差もある）
一概にどちらが良いのか？
ではなく
今の我が家にはこれが適している！
程度なのです。
もう一言
血合い抜きの鰹削りパックも市販されています。
が、
血合いが入ったものに比べると、値段が倍近く差がある商品が多いです。
「老舗卸 和田久」
血合い抜き かつお削り節 １００ｇ ８３１円
産地 鹿児島県
メーカー 和田久 ・・・東京都築地場外にある老舗
（私も扱わせて頂いたことがあります）
血合いあり かつお削り節 １００ｇ ４３２円
産地 鹿児島県
メーカー 和田久 ・・・東京都築地場外にある老舗
何故こんなに価格が違うのか
血合い入りは通常用としての使用に適すが、血合い抜きは特に言い訳が通用しない
お吸い物用として使用されるものですので、より良い本枯れが使用されていると
思われます。
よって
価格にこれだけの差が出るのも仕方がないのではと思います。
ご自身で本枯れ節の血合いを削り取った後にカツオ節を仕立てるなら、
より一層2つの価格の差に納得されるのではないのでしょうか？！！
最後に
この記事が皆様の「本格かつお出汁」を取る際のいち考察になれれば嬉しいです。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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