和食を簡単に!

ちょっとした「コツ」や「黄金比率」で簡単に作れる和食のご紹介

あわびの種類や違い

 

梅雨真っ盛り・・・

毎日雨が続いています。

うっとうしいと思われる梅雨ですが、自然的には絶対に必要なことですよね。

ここ近年の、夏場の水不足解消になってくれれば良いなぁ~と思います。

今回はあわびをご紹介

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このあわびは養殖の黒あわびです。

あわび養殖では、黒あわびが大半を占めています。 

やはり市場価格が高い物が商品化されることからですね。

 

ちなみに、「養殖黒あわび」と「天然黒あわび」の違いを簡単に書きますと

 

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殻の色合いが違います

もちろん、全てが同じわけではありませんが色合いの違いがでます。

 

左のグリーンがかかった殻 ⇒ 養殖黒あわび(写真は韓国水揚げ物)

右の赤茶色のまだらの殻  ⇒ 天然黒あわび(写真は佐賀関産)

 

天然物は生育環境によって殻の色が若干違う程度ですが、養殖黒あわびに関しては

ほぼ同じ色合いの殻です。

どちらが美味しいかは、個々の嗜好によるのでコメントを書くのは控えます。

私の経験上「養殖あわび」にかんしては、良い意味で一定以上の評価はあります。

「天然あわび」は種類にもよる違いもあり、貝自体の状態によっての差が激しい!と

かんじます。

魚にしても同様にいえることですが、天然物に常に同じような良さばかりを

求めるのは現実的に難しくなっている傾向にあります。

世界のニーズ(消費)と、供給できる限度(自然)はすでにバランスは崩れているので

養殖・蓄養・完全養殖を組み込みながら流通バランスが保たれています。

あわび等の磯物は成長速度が遅く、子供の掌サイズ(10cm)になるまで

良い条件下(水温・衛生)においたとしても5年近くかかります。

写真の天然黒あわび(右)は16センチ位ですので、7年以上は海にいた事になります。

 

あわびの種類

あわびの仲間は世界中に80数種類で、日本には10種ほどいます。

日本で一般的なあわびは4種類

  • 黒あわび   ・・・数が少なく非常に高値である。 
  • えぞあわび  ・・・黒あわびの北方系亜種。 同様に高値である。
  • マダカあわび ・・・火を通した使用に多い。 同様に高値である。
  • メカイあわび ・・・柔かいが美味。 上記ほどの高値ではない。     

どのあわびにも共通して、非常に高値であり美味しい素材です。

 

下処理の仕方

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  1. まず身を上にして塩をまぶし、専用のたわしで表面の汚れを除き水洗いします。
  2. 殻と身の間に薄手のしゃもじの様な物を差込み、殻と身を外します。
  3. 次に、写真の赤丸部分にそって付いている「えんぺら」「肝」を外します。
  4. 「えんぺら」から「肝」を外し、さらに「肝」から「砂袋」を切り取ります。
  5. 身に対して三角形の形「あわびの口ばし」を切り取ります。
  6. 最後もう一度水洗いをしたら下処理が終了です。

築地市場ドットコム  

 

料理法

どのあわびでも新鮮な物であれば、お刺身などいかがでしょうか?

私の考えですが、ガラスの器に氷水(酒入り)をはり、そこに1,5cm角に切った

あわびを入れ込み、青紅葉の葉をそえて提供される「水貝」スタイルよりか

薄くスライスをして表面積をふやし、旨みを感じやすくする方が良いのでは?

と毎年思います。

贅沢感が増す、水貝スタイルでの提供は商売向きかな?

生の肝を添えるか、肝を醤油で溶きいれた肝醤油はお勧めです。

 

次にお勧めは、火を通し過ぎない程度に蒸す「蒸しあわび」

あわびの酒蒸しの簡単作り方

  1. 鍋に水洗いした「あわび」ヒタヒタ少し上位まで水をいれる。(酒は1割)
  2. アルミホイルで蓋をし、強火で沸かします。
  3. 沸く寸前で火を止め、鍋をガス台から外す。(ガス台の余熱を避ける為)
  4. 中の水分が常温になるまで放置する。
  5. 常温になったら「あわび」を取り出し乾燥防止用に濡れペーパーをかぶせる
  6. お好みで食べやすいように切り付けてください。完成

  生の肝を添えるか、肝を醤油で溶きいれた肝醤油はお勧めです。

 

大トリとして

あわびの共焼き (上火式・又はオーブンの場合)

少し厚めのスライスあわび(生でも蒸しどちらでもいいです)を殻にもどします。

その上に、包丁で叩いた肝に醤油・味醂・酒・少量の味噌を混ぜ込んだ「肝味噌」

をたっぷりぬって焼く。

 肝好きならば言うこと無しのうまさです!

炭火等の下火式であれば、あわびの殻にアルミホイルをあわびの形状に包みます。

その中に肝味噌をいれあわびを並べて焼きます。

 

あわびの肝には旨みが多くあります。

是非お使いになってください。

 

「えんぺら」の部分はさっとゆでて召し上がれます。 少し苦味があります。

「くちばし」は硬いので使わないほうがいいのでは? 私は使いません。

 

あわびと床節の判別方法

何故わざわざアルミホイルで殻を包むのか?

あわび殻には斜めに穴が4~5個あります。

その穴から美味しい肝味噌の流出防止の為です。

 

ちなみに、あわびの赤ちゃんと間違えられる「床節」(とこぶし)には

殻に穴が7個ほどありますので、あわびとの判別にしてみてください。

 

 

最後に

これから旬を迎えようとしている超(?)高級素材あわび

ブログをはじめて、初の魚介類を紹介させて頂きました。

「磯のあわびの片思い」ではなく、読んで下さっている皆様にとって

少しでもお役に立てるブログになればいいなぁ~と思っています。

 

最後まで読んで頂きありがとうございました。

 

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