たまご について 勘? 経験? 科学? 温泉卵編
皆さんのご家庭に卵はありますか?
一昔前(高度成長期前)、卵は貴重品でした。
近所へのお裾分け、子供が熱を出した際の栄養食、風邪を引き始めた時の民間療法
:卵酒等々
これさえあれば!的な役割を担っていました。
料理サイトとして人気絶大の「クックパット」。
卵を使った項目の多さから察するに、現代において卵は日常常用になってます。
そして
卵料理については「難しい」や「失敗」などのキーワードも多く出てきます。
そこで
卵の なぜ? や どうして? を紐解いていきましょう!
卵料理は科学である
卵は科学?
そうなんです! 科学です!
一昔前の調理場での光景は (私が十代の頃)
「仕事は見て覚えろ! 仕事は盗むものだ!」
などの、どの仕事に関しても実経験から導き出すなんとなくが答えでしたが、
現在は違います!
現在は
分子調理など食を科学的に分析・研究の末に数字的に明確な答えがでる事柄が判明。
では明確な答えについて、一つの例を挙げてみます。
今回は「たまご」についてなので
「温泉卵」を例に説明していきます。
ところで・・・
温泉卵をご存知でしょうか。
とろける黄身を柔らかな白身で包み込む逸品。
温泉が湧き出る宿泊施設が朝食の一品に出すあれです!
( 温泉卵 ↓ )
画像的には”つるりん”とした温泉卵を出したかったのですが
ここでは敢えて、白身から黄身が流れ出る品をチョイス。
この画像をチョイスしたのには理由があります。
何故ならこの一枚が明確な答えを示しているからです。
さあ 科学を始めますよ!
卵には2つの凝固点があります。
一つは白身、もう一つは黄身です。
そこで温泉卵の画像をご覧になってください。
白身は凝固しているが、黄身は流れ出す。
何故そのような現象が起こるのか?
答えは、白身と黄身は異なる凝固点を持っているから!
簡潔に数字で示すと
黄身は65度から凝固作用が始まり、白身は58度から凝固作用が始まる。
しかも凝固速度は、黄身はゆっくりに対し白身は早い。
その数字の理解が、温泉卵を失敗なく作るキーワードとなります。
そこで
温泉卵の作り方
68度のお湯に、常温に戻した卵をいれ40分入れておく(68度はキープする)
以上!
すぐに食べないときは、玉子を氷水に落とし完全に冷ましてから保存します。
たった
これだけです!
出てきた数字は2つ。
68 と 40
この2つの数字を知っているか知らないか、もしくは経験と勘でなんとなくでは
知っている方が格段に成功確立が上がるはずです。
先ずは確実に温泉玉子が作れるようになる!
次に白身や黄身の凝固具合をお好み仕様へと進化させる事ができる。
一昔前は、鍋に温度計を差し入れてガス台の火加減を調節しながらの火加減キープ
でしたが、今は電子調理器の普及もあり温度を保つのは容易となりました。
もしお時間があるときに、ちょっと作ってみてはいかがでしょうか。
ついでに
温泉卵にかけるお出汁もご紹介しておきます!
私達プロの間では「美味だし(びみだし)」と呼ばれている万能だしの1種です。
美味出汁
カツオ出汁7 : 薄口醤油1 : みりん1 うまみ調味料少々(なくても良い)
別名「万能だし」とも呼ばれ、少し出汁や調味料を加えたりの加減をして用いります。
主に色を残したい煮物や、そうめんつゆ、あんかけ料理の基本出汁にもなります。
何かと便利なお出汁ですよ!
卵の保存法のご紹介
1: 常温保存が可能である。
ただし、冷蔵庫保存のほうが鮮度維持できる。
2: 卵には向きがありまして、尖った方を下向きにする。
3: 冷たい状態で販売されていた卵は冷蔵庫で保管する。
4: ゆで玉子にした場合、2日以内に食べきる。
生卵は2週間ほどの消費期限があります。
一度火が通った卵は菌を分解する酵素であるリゾチーム酵素が破壊され、
菌の増殖を防ぐ事ができなくなるため消費期限が短くなります。
まとめ
一例として温泉玉子を挙げてみましたが、「たまご料理」について
他にもご紹介していきますのでお付き合い宜しくお願いします。